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山市良の「企業ユーザーはここに注目しよう!Windows 8.1の新機能」 最終回

Enterpriseエディション限定機能、8.1ではWindowsストアの使用制限も解除

Windows 8.1を持ち歩く「Windows To Go」の活用と注意点

2013年10月10日 08時00分更新

文● 山市良

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※ この記事はWindows 8.1 Preview、Windows Server 2012 R2 Preview、System Center 2012 R2 Previewの機能に基づいて記述しています。正式リリースでは変更になる場合があります。

仕事用のPC環境を「Windows To Go」でローミングしよう

 「Windows To Go」は、簡単に言ってしまえば“USBドライブで持ち歩けるWindows”である。USBドライブ内に準備しておいたWindowsのインストールイメージ(「Windows To Goワークスペース」と呼ばれる)を使って、Windows対応のPCやタブレットを起動することができる。PCやタブレットのハードウェアリソース(CPU、メモリ、ネットワーク)を一時的に拝借して、自分専用のWindowsのデスクトップ環境を利用できるようなイメージだ。ユーザーが作成したドキュメントやデータ、環境設定はWindows To Goワークスペースに保存される。

 Windows To Goは、Windowsのソフトウェアアシュアランス(SA)を通じて提供されているWindows 8の最上位エディション、Windows 8 Enterpriseだけの企業向け機能である。企業ユーザーが業務を継続するために、個人や第三者のPCを含む複数のPC間でWindows 8のデスクトップ環境をローミングできるようにすることを想定しているためだ。まもなく正式リリースとなる次期バージョンのWindows 8.1においても、最上位エディションのWindows 8.1 Enterpriseだけで提供される。

 Windows To Goで起動したWindows環境は、一部に機能制限(TPMが使えない、Windows回復環境を利用できないなど)があったり、通常のWindows 8/8.1と既定の設定が異なる部分があったりするが、基本的にはローカルにインストールされたWindows環境と変わらない。通常は企業のIT担当者がWindows To Goワークスペースのイメージを準備し、Active Directoryドメインへの参加設定、オフィスアプリケーションや業務アプリケーションなどを組み込んだ状態のUSBドライブを社員に配布する、という運用形態になるだろう。

 利用シナリオは、社員が会社のPCと自宅のPC間でデスクトップ環境をローミングするだけでなくさまざまなものが考えられる。たとえば、社内にドライブレスのPCを設置し、Windows To GoワークスペースをインストールしたUSBドライブを社員に配布すればフリーアドレス環境を実現することができる。また、在宅勤務をする社員や、BYOD(個人デバイスの業務利用)をする社員向けにこれを活用することもできるだろう。前回の記事で説明したDirectAccessクライアント設定を事前に設定しておけば、Windows To Goで起動したらどこにいても(社外にいても)すぐに社内リソースにアクセスできる環境を提供することも可能だ。

Windows To Goの利用イメージ

(→次ページ、USBドライブは暗号化、ローカルディスクは使わない安全な仕様)

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