ゴールドはたった2台
サンフランシスコでも20台
Apple Storeに行列したことがある人ならおわかりだと思いますが、発売の1時間前を切ったあたりで、行列の先頭から整理券(彼らはvoucherと呼んでいました)が配られます。iPhoneやiPadなどの在庫数分の整理券があり、お客さんに手渡しながら在庫の量を確認するというオペレーションです。つまり、その容量とカラーの整理券が受け取れれば、購入できるということです。
「これからvoucherを配っていくから」と行列の先頭から最後尾まで告げる頃には、行列の長さは3倍に伸びていました。そして配り始めた瞬間、「ごめん。ゴールドは在庫切れ」との声が聞こえ、周囲の行列を成している人たち一同がずっこけたのが印象的でした。さすがに早いだろうと。程なく10番目くらいで再び声がして、「シルバーも在庫切れ。残りはグレーのみ!」とのこと。
米国では発売前の記事で、iPhone 5sの在庫は「グロテスクなほど」在庫が少ない(関連記事:Apple Insider)という印象的な見出しが出ていましたが、もはや出オチとも言えるゴールド/シルバーの在庫切れのアナウンスはまさに“グロテスク”とはなんたるかを理解するには十分でした。
筆者も無事、「iPhone 5s Verizon 16GB スペースグレー」なる整理券を受け取り、ひとまず安心。周囲の人たちに色について話を聞くと、「ゴールドとシルバーは白っぽくて傷が目立つと思うんだ。俺は最初からグレーがいいと思ってた」とのことでした。男性がシルバーやゴールドを持つのはどうだろうみたいな雰囲気もあり、意外と最初からグレー狙いだったひとも少なくありませんでしたが、負け惜しみ気味の人が紛れているのはいうまでもありません。
行列をヒートアップさせてからの午前8時!
いざ購入
発売直前にApple Storeの店員さんが大声を上げながら盛り上げ始めました。好みの色が手に入らず落胆する人もいたでしょうから、いつもよりもノリが悪いなと思ったかもしれませんが、それは在庫をちゃんと用意できなかったAppleのせいですからあしからず。
そして8時になると、先頭の女性から順次店内に拍手で通されます。Apple Store 4th Streetでは、店の入口に1人の店員がお客さんを迎えに来て、整理券を確認し、新規か、機種変か? 下取りはあるか? といった確認をしてから店に案内してくれます。これだけ行列があっても、1人ずつていねいに接客するというのはApple Storeならではの体験と言えるでしょう。
筆者の番。56番目でしたが、お店に入ったのは8時15分ごろ。ものすごいハイペースですよね。ちなみに、お店のジャックさん、ていねいにありがとう。
店内に通されると、「これからあなたのiPhoneを持ってくるから、ここで待っててね」とテーブルで待たされます。持ってきたiPhoneの箱を封切りし、中身に問題がないかを一緒に確認。そして電話番号を告げて、携帯電話会社の割引での機種変更の可否をチェックすると、箱の外のバーコードを読み取って、機種変更自体は終了します。機種変更だけなら10分もかからない手続きでした。
Verizonの場合、機種変更するとSIMカードも変わり、古いSIMカードは破棄される仕組みです。それでも、筆者が使っている番号とSIMカードとの紐付けを、Apple Storeの店員が持っているバーコードリーダー付きケースに入ったiPod touch端末だけで変更可能で、バーコードを2~3回スキャンするだけでした。
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