録画番組を共有できる「DTCP-IP対応」モデル
Blu-ray Discレコーダーが家庭に普及し、デジタル放送を視聴・録画できるPCも多くなってきた現状、デジタルハイビジョン番組を録画して個人で楽しむのはまったく普通のこととなった。
一方で、(著作権保護のかかっていない)個人で撮影した動画や写真画像をNASに保存し、LANを介してテレビやレコーダーから見るということが約10年ほど前から可能となっていた。この“ホームネットワーク”環境を実現したのが、いわゆる「DLNA」と呼ばれる規格である。
その次の段階として、録画したハイビジョン番組のような著作権保護されたデジタルコンテンツを、HDDレコーダー+テレビ、もしくはPC単体で再生するのではなく、LANを介してほかの機器で鑑賞したり、ダビングしたりすることが可能となった。
デジタルコンテンツの著作権を保護しながらそういった鑑賞方法を可能にしたのが「DTCP-IP」という著作権保護技術。ネットワーク対応をうたうテレビやBDレコーダーの多くが対応している。
もちろん、DTCP-IPに対応するNASも数多く登場している。レコーダーなどで録画した番組を対応NASに保存しておけば、とりあえずLAN上のどの機器からも鑑賞できることとなり、デジタルコンテンツの楽しみ方の幅が広がる。
アイ・オー・データ機器「HVL-A/AT」シリーズ
「RECBOX」(レックボックス)の愛称で知られるアイ・オー・データ機器の「HVL-Aシリーズ」は、文字どおり録画したデジタルコンテンツを集約する用途のNASだ。DTCP-IPに対応し、テレビやレコーダーなどに録画した番組をダビングして保存できる。
本製品には「HVL-AT」シリーズという派生モデルもある。こちらは「Smartplayng Engine」と呼ばれるトランスコーダーを内蔵し、ネットワークの状態によって最適な転送レートにリアルタイムで変換。スムーズな再生が行なえる。なお、HVL-AはUSB外付け型のトランスコーダーユニットを装着することで、Smartplayng Engineを使用できる。
HVL-Aシリーズのラインナップは2TB(実売価格は2万5000円前後)、3TB(同3万3000円前後)、4TB(同4万7000円前後)となっている。HVL-ATシリーズもラインナップは同じで、実売価格は各々7~8000円ほど高くなる。
バッファロー「LS410DX」シリーズ
前述の「LS410Dシリーズ」の派生モデルで、転送速度100MB/sの超高速モデルであり、基本的な機能はLS410Dとほぼ同じ。異なるのは後述する「DTCP+」に対応する点だ。
容量のラインナップは2TB(実売価格3万5000円前後)、3TB(同4万3000円前後)、4TB(受注生産、同5万5000円前後)となっている。
外出先から録画番組をチェックできる「DTCP+」
このページで紹介している製品は、DTCP-IPに加えて「DTCP+」への対応もうたっている。
DTCP-IPがLAN上でのみデジタルコンテンツを共有できたのに対し、DTCP+はインターネット経由でも再生することが可能となっている。
つまり、外出先から自宅のNASにインターネット経由でアクセスすることで、PCやスマートフォン、タブレットなどからデジタルコンテンツを楽しむことができる。なおDTCP+機能の使い勝手は次回に実践してみることとしよう。
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