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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 ― 第87回

第2世代のSurfaceで気になる「Windows RT」の今後

2013年10月03日 14時30分更新

文● 末岡洋子

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 年末商戦に向けて新製品発表が増えるこの時期、先週はMicrosoftとAmazonの2社がタブレットの新機種を発表した。ともにAppleやSamsungなどハードウェアメーカーと比べると新参の存在。特にMicrosoftは縮小するPC市場に変わる成長戦略としてタブレットが重要な役割を担うことになり、OSからみてもハードウェアからみても注目されている。

第2世代もWindows RT版とフルWindows版が揃って登場

 9月23日に発表された第2世代のSurfaceは、1年前に発表された初代Surfaceと同様にARMベースでWindows RT 8.1搭載の「Surface 2」、IntelベースでWindows 8.1 Pro搭載の「Surface Pro 2」の2機種がある。

日本でのリリースも気になるSurface 2

 それぞれのスペックはニュース記事などを参照いただきたいが、主なポイントはプロセッサのアップグレード(Surface 2はTegra 4、Surface Pro 2はHaswellコアのCore i5)、解像度が1920×1080ドットのClearTypeディスプレイ、バッテリ持続時間の改善、SkypeやSkyDriveの有料サービスが1年/2年間無料で利用できるなどだろう。ドッグやキーボードなどアクセサリも発表している。Surface 2は5メガピクセル(メイン)と3.5メガピクセル(フロント)のカメラも付いた。価格はSurface 2が449ドル(32GB)からと初代よりも50ドル安くなり、Surface Pro 2は899ドル(64GB)から、こちらは初代と同じとなる。

 初代はどちらかというと失敗に終わったSurfaceタブレットだが、2世代目はどうなるのか? スペックの点では無難にアップグレードしつつ(特にSurface 2)、価格も競争力があり(第4世代「iPad」は32GBモデルが599ドル、Surface 2はこれより150ドル安い)、USB 3.0、microSDカードスロットなどもあり、アクセサリも話題だ。

 だが、欠点といわれてるエコシステム(アプリ)については、サードパーティに頼るしかなく、改善スピードはゆっくりといえる。「Evernote」「Dropbox」などはあるが、一方で「Firefox」や「Chrome」などはなく、充実しているとはいえない。「Twitter」は3月に(やっと)公開となったが、「Facebook」の登場はまだのようだ。アプリ開発面でのMicrosoftの取り組みは、Windows Phoneを含めて早期に効果的な対策が必要と感じる。

タマゴもニワトリも揃わずのWindows RT?

 初代のSurfaceでは、先行したWindows RTベースのSurface RT(2012年Q4に米国など主要市場で発売開始)が振るわず、2013年Q1に発売されたSurface Proで若干挽回したという流れだった。Microsoftは発表していないが、調査会社のデータでは、2機種合計の販売台数は90万台程度のようだ。そして、Microsoftが7月に行った業績報告では、Surfaceは在庫調整費用として9億ドルの損失を計上したことが明らかになった。

 MicrosoftとPCメーカーは、ビジネスユーザーはWindowsタブレットを選ぶ、という読みを持っていた。だが、Android(特にSamsung)もAppleもビジネス向け機能を増やしており、BYODソリューションも充実してきたためか、ビジネスユーザーにとってWindowsであることはそれほど重要ではなくなりつつあるようだ。

 気になるのがWindows RTの役割だ。第2世代でもWindows RT搭載モデルの後継を用意したが、Microsoftにとって重要なOEMに目をやるとRT離れが顕著だ。「ATIV」ブランドでWindowsモバイル製品を展開するSamsungは、3月にWindows RTタブレットからの撤退を明らかにした。

 さらにはLenovo、Acerと続き、さらにASUSも8月にWindows RTの製造中止を明らかにした。多くが理由として、需要がないことを挙げている。Microsoftに忠実な盟友のDellも9月末、自社のオンラインショップでWindows RTベースの「XPS 10」の販売を中止した(Dellはまもなく最新のタブレットを発表する予定なので、可能性はあるかもしれない)。

 現時点でSurface/MicrosoftしかWindows RTタブレットがないとなると、エコシステムという課題にはさらなる逆風となる。SurfaceのリリースでOEMとの関係が多少なりとも変化したはず。Nokia買収を発表した後、MicrosoftはOEM戦略をどのようにすすめるのか。またWindows RTそのものの戦略はどうなっているのか。将来的にWindows Phoneにマージするようなシナリオを想定しているのか――Microsoftのこれまでの歴史からも、タブレットにしてもスマートフォンにしても、長期的に取り組むものと思われるが、疑問は尽きない。なお、Nokiaも10月にタブレット発表の憶測がある。

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