ヘッドフォンもハイレゾ対応!?
ヘッドフォンについても「ハイレゾ」対応となるモデルがある。ヘッドフォンのハイレゾ対応といっても機能的に何かが違うというわけではない。再生周波数帯域が可聴帯域を超える20kHz以上まで伸びていればハイレゾ対応と見なすことができる。
そういったスペックもそれなり重要だが、そもそも人間の耳は20kHz以上が聞こえないので、基本的にはハイレゾの情報量をしっかりと再現できる音質性能の優秀さが重要になるだろう。なお、これらは9月5日に一斉に発表された製品の一部だ。
オーバーヘッド型は「MDR-1」のマイナーチェンジとなる「MDR-1RMK2」、MDR-1Rの音質をよりコンパクトで軽量なサイズで実現した「MDR-10」となる。MD-R1、MDR-1RMK2ともに再生周波数帯域は4Hz~80kHzで(つまり、旧モデルとなったMDR-1もハイレゾ対応と見なせる)、MDR-10は5Hz~40kHzとなっている。
インナーイヤー型では、BAユニットとダイナミック型ドライバーを組み合わせたハイブリッド型の「XBA-H3」「XBA-H2」「XBA-H1」がある。
XBA-H3は、フルレンジBAとBA型のスーパートゥイーター、16mmダイナミック型ドライバーを搭載した3ウェイで、再生周波数帯域は3Hz~40kHzとなる。
XBA-H2はフルレンジBAと13.5mmドライバーによる2ウェイ構成(再生周波数帯域:4~25kHz)、XBA-H1はフルレンジBAと9mmドライバーによる2ウェイ構成(再生周波数帯域:5~25kHz)だ。
ハイレゾ音源を楽しむためには「Media Go」への乗り換えが必要
ただし「x-アプリ」からの乗り換えには注意!
新たな転送ソフトとなる「Media Go」も紹介しよう。これまでの転送ソフトである「x-アプリ」と比べると、最大の違いはハイレゾ音源の転送や再生に対応していること。つまり、新しいウォークマンでハイレゾ音源を転送して楽しむならば、Media Goに移行することが必須となる。
問題になるのは、これまでに「x-アプリ」を使って音楽配信サイト「mora」からダウンロード購入した音源。
2012年9月30日以前(およそ1年前)に購入した音源は、そのままMedia Goで扱うことはできないので、そのままx-アプリで転送やPCでの再生を行なう必要がある。
あるいは、x-アプリから一度CD-Rなどに保存してから、Media Goで再取り込みを行なう必要がある。moraなどで頻繁に楽曲購入をしている人はこの点に注意しよう。
それ以外の点では、Media Goならばウォークマンのほか、PCやスマホ、携帯ゲーム機のPS Vitaなどとも連携し一括して楽曲を管理できるなど、利便性は高まっている。
ちなみに、「Media Go Ver.2.5」は、すでにダウンロードして使用が可能。購入したハイレゾ音源をライブラリにインポートすれば、PC上での再生が可能になるので、音楽ソフトとしても使える。
Media Goは、はじめて起動したときには、x-アプリの管理楽曲を簡単にインポートできるので、移行も便利だ。また、iTunesで管理していた楽曲も、ドラッグ&ドロップの操作で手軽に転送できるので、「X-アプリ」からの移行どころか、iPodからウォークマンへの移行もしやすい。
このほか、Mac用ソフトとしては「Content Transfer」が新たに用意された。これを使えば、iMacなどで管理していた楽曲も手軽にウォークマンへ転送することが可能。ハイレゾ対応を武器に、iTunesユーザーやMacユーザーの取り込みも積極的に進めているあたり、なかなかアグレッシブな戦略と言える。
携帯プレーヤーとしてはまだまだ珍しいハイレゾ再生に対応したことに加え、使い勝手や操作性など、多くの点で進化しており、まさに新世代のウォークマンと言える内容になっている。
これによって、携帯プレーヤーの世界が大きく動き始めるのは間違いないところ。音質にこだわる人はもちろん、ハイレゾを中心とした新しい音楽の楽しみに注目している人にとって、ウォークマンF880シリーズとNW-ZX1は目の離せない製品と断言できる。
この連載の記事
-
第3回
AV
USB DACも! ソニーの据置ハイレゾ機器を最速レビュー -
第1回
AV
「ハイレゾ音源」入門! PCオーディオを超高音質で堪能!! -
AV
ソニーが本気で参入してきたハイレゾオーディオの世界! - この連載の一覧へ