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Oracle Open World 2013基調講演レポート

米オラクル、インメモリDBオプションやSPARC M6-32発表

2013年09月24日 11時00分更新

文● 大河原克行

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米オラクルは、米国時間の9月22日、米サンフランシスコのモスコーニセンターなどの市内数カ所において、Oracle Open World San Francisco 2013およびJava One 2013を開幕した。26日までの5日間に渡り、開催される。

数多くのユーザー事例が披露

 全世界126カ国から約6万人が事前登録。前年の約5万人の登録から大幅に増加したという。会期中2500を超すセッションと、400種類の製品デモ、500社のパートナー企業による展示が行なわれる。

モスコーニセンターも赤いオラクルのロゴで溢れていた

カスタマーイベントの呼び名通り、基調講演やセッションではユーザー企業が登壇するシーンがあちこちでみられた

 今年は、米オラクルのラリー・エリソンCEOが、同イベントを「カスタマーイベント」と称するように、基調講演やゼネラルセッションなどを通じて、ユーザーの導入事例を積極的に紹介していたのが特徴だ。オラクルの各種製品を活用したビジネスへの応用や成果などが示された格好だ。

初日の基調講演に立つ米オラクルのラリー・エリソンCEO

 開幕初日には、ラリー・エリソンCEOや、富士通の豊木則行執行役員常務などが基調講演を行ない、Oracle Database 12cのインメモリオプションや、Athena+が発表されるなど、初日から新製品発表が相次いだ。会期中には20件以上の新製品が発表されることになりそうだ。

 基調講演でエリソンCEOは、Oracle Database 12c向けに、Oracle Database In-Memoryオプションを発表。Oracle Database In-Memoryオプションを備えたオラクルのインメモリ・アプリケーションによって、分析やデータウェアハウジング、レポート、オンライントランザクション処理(OLTP)におけるデータベースパフォーマンスが向上することを強調した。

 Oracle Database 12cで実行されるすべてのアプリケーションは、Oracle Database In-Memoryオプションをオンにするだけで、既存アプリケーションのデータベース機能を完全に維持したまま、高速化することが可能で、「クエリーを100倍高速化できる」(エリソンCEO)とした。行と列のデュアルフォーマットとしており、列ストア部分をインメモリによって処理することで高速化を実現したという。

Oracle Database In-Memoryオプションを発表

最大32TBのメモリと最大384のプロセッサーコアを搭載

 また、SPARC M6-32を発表。これを搭載したOracle SuperCluster M6-32も同時に発表した。SPARC M6-32は、最大32TBのメモリと最大384のプロセッサーコアを搭載。アプリケーションとデータベース全体をメモリ内で実行できるため、高いパフォーマンスを実現したという。また、Oracle SuperCluster M6-32は、オラクル最速でスケーラビリティにもっとも優れたエンジニアドシステムであり、Oracle Databaseのパフォーマンスに最適化されたExadata Storage Serverを、SPARC M6-32に統合したものとしている。

M6-32を搭載したBig Memory Machine(右)

 Oracle Solarisを実行するOracle SuperCluster M6-32は、IBM Power 795と比較して5倍の価格性能比を実現するとともに、32TBのメインメモリを搭載したSPARC M6-32は、IBMのPowerサーバーと比較しても2倍のメモリ容量を持つという。「これらの新システムは、卓越したパフォーマンスと最高レベルの可用性を、エントリレベルの価格性能比で提供し、ハイエンドサーバー市場の価格性能比の方程式を一変させる」としている。

 そのほか、エリソンCEOの基調講演では、「世界一速いマシン」とエリソンCEOが表現したBig Memory Machineを発表したほか、バックアップアプライアンスのDatabase Backup Logging Recovery Applianceを発表。「この長い名称は私が付けた」とエリソンCEOは明かした。Database Backup Logging Recovery Applianceは、Engineered Systemsに位置づけられるもので、バックアップクラウドサービスとしても提供される。

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