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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第149回

9月20日登場! ニーズに合わせてiPhone 5c/sを選ぶワザ

2013年09月19日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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ドコモ、ソフトバンク、au
キャリアはどうする?

 次に気になるのが、携帯キャリア。飲み屋で、契約するキャリアの擁護で言い合いになっているところを何回も見たが、結論から言うと正解なんかない。細かな違いはあるが、好みのキャリアで契約すればいい。少々の金額の多寡はあるが、2年間使い続ける端末を左右するほどの違いはない。自宅やオフィスで電波が入らないキャリアなら外せばいいだけ。筆者のメインiPhoneはソフトバンクだが、現状問題ないのでそのままにするつもり。ドコモとauの端末も記事のためにゲットする予定ではあるが。

 とはいえ、少しでもお得な方がいい、という人のために料金周りをチェックしてみよう。各社、なんでここまで複雑なんだ、というくらい入り組んでいて、簡単に全貌がわからない。ドコモにいたっては、料金のトップに掲示されているMNP料金がなんと学割。これはずるい。

 それでも、今回ドコモの価格設定が意欲的で、一番お得になっている。例えば、auとソフトバンクではiPhone 5c/5sの16GBモデルが新規もしくはMNPの2年契約で実質0円になっている。しかし、ドコモは新規・MNPに加えて機種変更でも同条件で0円。さらにiPhone 5cの32GBも実質0円というサービスぶり。これだと不公平なので、16GBモデルは525円×12ヶ月分を割引する月々サポート増額キャンペーンを行なっている。

新iPhoneの実質価格

 次はiPhone 5s 16GBを例に、月額料金を比較してみよう。月額料金には、基本使用料とネット使用料、パケット定額料金が含まれる。そこに、端末の分割支払い金が加わり、一定額が割引される。新規契約の場合は、ほとんど横並び。ドコモが6555円+通話料。ソフトバンクとauが6755円+通話料となる。MNPの場合は、一定期間基本使用料が0円になるので、3社とも5775円になる。しかし、ソフトバンクとauは2年間無料だが、ドコモは1年間のみなので要注意。とはいえ、これも条件付きで2年間に延長できる。以前ドコモを使っていて他社にMNPし、戻ってくる人は「ドコモへおかえり割」が適用され、最大25ヵ月間、基本使用料が実質0円になるのだ。

 ソフトバンクとauで機種変更する場合は、新規契約より高くなる。端末の実質負担額1万4160円の分割金590円が上乗せされるためだ。その点、ドコモは機種変更でも新規契約と同条件なので、価格は据え置きとなる。しかし、ここでも例外があり、ソフトバンクは「かいかえ割」というサービスを用意。iPhone 3G~4Sなどの端末から機種変更する場合、1年間基本使用料0円、もしくはパケット定額を4410円/月になる。

月額料金(iPhone 5s 16GB、新規契約の場合)

 注意したいのが、一括購入時の金額だ。ドコモは月額の割引金額を大きくして、実質auやソフトバンクと同等以上の安さを実現している。しかし、一括購入金額だけ見ると、断トツに高い。iPhone 5c 16GBで3万2000円以上違う。2年間きっちり使う人なら特に問題ないかもしれないが、筆者のように途中で機種変更しようとすると、残金の多さが負担になってくる。iPhone 6も狙っている人は、頭に置いておきたいところだ。ちなみに、ドコモはメモリー容量に関わらず、店頭払いの金額は9万5760円。現金買いなら、64GB一択となる。

端末の一括購入金額

 ドコモを含む、3キャリアともに既存のiPhoneを下取りするサービスを実施。ドコモはiPhone 3Gの1000ポイントからiPhone 5 64GBが2万ポイント。auもしくはソフトバンク端末が対象となる。auは自社端末のみで、iPhone 4S 16GBが1万5000pt~iPhone 5 64GBが2万8000pt、ソフトバンクも自社端末のみでiPhone 3Gが2000pt~iPhone 5 64GBが2万5000ptとなっている。一番お得なのは、auだ。これは、従来のiPhone 5がauの800MHz帯に対応していないため、移行を進めたいためと思われる。さらに、ソフトバンクは「残債無料キャンペーン」として、iPhone 4/4Sの残債を端末と引き替えにチャラにするサービスを用意している。

 しかし、古いiPhoneでも無線LAN接続すれば、iPod touchのように使えるので無理に下取りに出す必要はないと思う。ソフトバンクやauを機種変更で使うなら、故障した時でもSIMを差し替えるだけでバックアップ端末として利用できる。ただし、手元に置いておかずに下取りに出せばよかったと嘆く人もいる。メイン端末は自分で管理していても、バックアップ端末にパスワードをかけていなかったがために、恋人に勝手に充電されて見られたくない内容をチェックされてしまったケースも。各自、注意されたし。

ドコモの「iPhone下取りプログラム」でauやソフトバンク端末を引き取り。金額はau・ソフトバンクと比べると安い

で、結局何を選べばいいのか

 ほかにも、キャンペーンや割引サービスは色々ある。例えば、家のネット回線で「auひかり」などを利用しているなら「auスマートバリュー」が適用される。最大2年間、月額1480円が割り引かれるのだ。ソフトバンクも「ホワイトBB」を利用していれば月額1480円の割引。これは、なかなか大きい。家にこれらの回線を引いている人はチェックしてみよう。

対応回線を利用しているなら、「auスマートバリュー」をチェック。家族が持っている複数端末すべてで割引を受けられる

 ドコモユーザーでiPhoneに興味はあるが、まだiモード端末を手放せないという人は「プラス iPhone割」がお得。1年間、iPhoneの基本使用料が0円かつ、パケット定額料が4935円に抑えられる。

ドコモの「プラス iPhone割」。まずは2台持ちで試すという人にお勧め

 先の話になるが、auが発表した2014年春に開始予定の「データシェアプラン」も要チェック。iPhone(4G LTEスマートフォン)とLTE対応iPad(4G LTEタブレット)の両方を契約した場合、月間データ通信量が9GBになり、自由に割り振れるというもの。そしてiPadの月額料金が「データシェア割」で半額の2992円/月となる。

 次の春なんて先過ぎる! という人のために、9月20日から「先取り! データシェアキャンペーン」が始まる。これは、月間データ容量はiPhone、iPadともに7GBとなり、分け合えないが、iPadの料金が「スマホセット割」と「LTEフラット for Tab cp/Tab(i)cpスタート割」を併用して、最大2年間1050円/月となる。これは、iPad Wi-Fi+Cellularを使っているユーザーなら見逃せない。

データシェアキャンペーンのページ。セルラー版のiPadを併用している人はチェックしてみよう

 ポイントを述べたつもりだが、結局長文になってしまった。独断でまとめると、初iPhoneの人はiPhone 5c、スマホ経験者ならiPhone 5sがオススメ。iPhone 5ユーザーなら、今回は見送ってiPhone 6を待つのもあり。それ以外の人は、iPhone 5sで満足すること請け合いだ。容量は16GBが安く、ライトユーザーなら問題なし。アプリをたくさんインストールしたり、写真や動画を端末で管理するなら容量を増やしたい。音楽を本格的に楽しむなら、64GBモデルを選ぼう。

 キャリアは基本、好きなところでいいと思う。普段使っているキャリアで問題ないなら、継続すればいい。とはいえ、MNPでほかのキャリアに移ると、割引サービスを受けられる。キャリアを変えようと考えていたなら、積極的にMNPを活用したい。

 少しでも安く済ませるなら、端末の下取りサービスなどがあるが、筆者としてはWi-Fi端末として手元に置いておくことをオススメする。風呂場でのウェブ用スマホとしてもいいだろう。万一、水没してもメイン端末は生き残る。

 家で使っているネット回線が、ソフトバンクやauの割引サービスの対象になっているなら、要チェック。家族みんなで契約するなら節約できる金額が大きくなるので、対応キャリアを選ぶのもいいだろう。

 9月20日に手に入れるのが楽しみだ。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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