Windowsゾンビはセキュリティーソフトでは対処できない?
同社では、2013年10月3日から、移行ツールの最新版である「ファイナルパソコン引越し11」および「ファイナルパソコン引越しエンタープライズ版」を発売。これを理由することで、移行に関わる作業時間を短縮し、1台あたり約7万円の移行コスト削減が可能になるという。
「ファイナルパソコン引越しシリーズ」の開発元である米Laplinkのト-マス・コールCEOは、「アプリケーションやデータ、設定情報などを移行する方法を知らないユーザーも多い。また、移行に関する予算を確保できないという課題もある。これは世界的に共通した課題だといえる」とする。
佐々木社長は、「2014年4月以降、Windows XPを使い続けていて、なにも起こらないことはない」と予測する。
佐々木社長がそう語る理由のひとつが、「Windowsゾンビ」と呼ばれる存在だという。
Windowsの脆弱性は、毎月のように発見され、修正パッチによって改善される。これがWindows XPの場合、来年4月以降、修正パッチが提供されなくなるわけだ。だが、Windows 7やWindows 8向けに提供される修正パッチから、同じWindowsの流れを汲むWindows XPにも同様の脆弱性があると推測され、それを突いたウイルスが作られる可能性が懸念される。
「さらに、ネットに接続すると、どんなOSを利用しているのかがわかってしまう。自分のセキュリティ環境が甘いということを世界に向かって発信しているようなもの」とする。
また、なかにはアンチウイルスソフトを利用することで、存続を図ろうとするユーザーもいるが、「アンチウイルスソフトでは、OSの脆弱性はカバーできない。リスキーであることを理解していない企業が多すぎる」と指摘する。
ある大手製造業では、今後3年がかりでWindows XPからの移行を完了する計画だという事実もあり、「脆弱性に対して無頓着なことには驚いた」とする。「数1000台、数100台というPCの脆弱性が突かれ、そこから情報が漏洩した場合に、情報システム担当者はその責任を負いきれるのか」と警笛を鳴らす。
「日本の企業は、情報漏洩に対する意識が低い。まずは、Windows XPからの移行を早く済ませることが、日本全体にとってもいいことだろう」 期限までに残された時間は少ない。
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