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電気自動車でラリー! 全日本ラリーに日産リーフ参戦

2013年09月18日 16時00分更新

文● 北森涼介 写真●北森涼介

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「はっ、速いっ!」誰もが目を疑った加速感

 「電気自動車なんて……」モントレーのスタートまで、誰もがこのチャレンジは話題集めのイロモノとしてしか捕らえていなかった。実際、電気自動車が全日本ラリーに参加すること自体が史上初であるため、不測の事態が起りうる可能性を指摘され、本来エントリーを予定していたJN-1クラスから、選手権対象外のイノベーションクラスへとエントリーを変更しているのだ。しかし、競技が進むにつれ次第にタイムが上がってくるという事実には、周囲は半信半疑ながらもそれを認めざるを得なかった。

 そして7月28日の朝、1000人以上の観客が見守る群馬サイクルスポーツセンターのスペシャルステージで、選手権として想定されるJN-1クラスの3位よりも速いタイムを叩き出したのだ。観客は「はっ、速い!」と、どよめいた。

モントレー2013in群馬 群サイスーパーSS リーフ

 それが上記の動画である。この動画と下記の他の参戦車両の動画を見比べていただくとよく解るのだが、ここには電気自動車の走行特性が如実に現れている。

モントレー2013in群馬 群サイSS JN2,1,INV

 まず、リーフのコーナーリングの姿勢が非常に安定している。まるでラジコンのコーナーリングのように車体が水平に移動していることがよく解る。他のガソリン車は、固めてあるサスペンションのおかげでロール自体は少ないが、外側の車輪を軸にインリフト気味になっている。これは電気自動車であるリーフに必要不可欠なバッテリーが床下に搭載され、重心が非常に低くなっていることが要因なのだ。そのため、4つのタイヤがしっかりと接地し、各々の役割をきちんと果たしているために安定したコーナーリング姿勢になる。

 そして、ターン終了から加速への移行のスムーズさも大きく違う。ガソリン車ではこの移行時に一瞬のタメが入る。これはエンジンのトルク発生に起因するもので、低回転時はトルクが充分に発生していないために回転が伸びるまでの一瞬にタメが入るのだ。電気自動車のリーフは、言うまでもなく電気モーターで駆動する。電気モーターは特性として、モーターが動き始める瞬間から最大トルクを発生するので、ターン終了から加速し移行する際にタメを作ることが無いのだ。

この走行特性はラリーの様な公道競技には大いに武器になると言える

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