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新サービス拠点「NEC神奈川データセンター」も開設

月額6700円から!低価格ニーズに応える「NEC Cloud IaaS」

2013年09月13日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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9月12日、NECは新たなクラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」の販売を10月から開始する。自社製品と技術でクラウド基盤を構築することで、最小構成で6700円/月~という低廉な価格を実現。サービス拠点として新たに「NEC神奈川データセンター」を開設する。

国内トップクラスを謳う低価格を自社技術で

 NEC Cloud IaaSはサーバーやストレージなどのICTリソースを提供するサービスで、従来から展開していた「RIACUBE」の後継にあたる。NECビッグローブのパブリッククラウドに対し、NEC Cloud IaaSは企業でのプライベートクラウドの利用を想定。サービスメニューとしては、コストパフォーマンスを重視した「スタンダード(STD)」と、RIAQUBEのサービスを改良し、高性能・高信頼性を目指した「ハイアベイラビリティ(HA)」の2つが用意される。

スタンダードとハイアベイラビリティの2つのサービスで構成される

 NEC Cloud IaaSの最大の特徴は「国内トップクラス」を謳う価格だ。今回、追加されたスタンダード(STD)では、1vCPU、4GBメモリ、100GBディスクの最小構成で6700円/月~という価格で提供する。発表会で登壇したNEC 執行役員 中江 靖之氏は、「今回は“ローコスト”を重視した。高性能は実現できていたが、ローコストという要件は今までのサービスでは無理だった」とのことで、サービス自体がコスト面のニーズから生まれたという。

NEC 執行役員 中江 靖之氏

 これを実現するため、スタンダード(STD)ではOpenStackなどのOSSを積極的にクラウド基盤に採用するほか、“餅は餅屋”ということで、NECが持つ省電力製品や技術を惜しみなく投入。データセンター専用の省電力・高集積サーバーを新たに自社開発するほか、先日発表された「相変化冷却方式」を元にした独自の冷却技術を導入する。

国内トップクラスの価格を実現すべく、OSSや自社製品・技術を積極的に導入

 中江氏は、「(NECは)メーカーなので、ハードウェアを自前で作れる。単に買ってきたサーバーを並べたわけではない。障害など、どこで、なにが起こっているかもわかる。やはり品質に厳しいお客様が多いので、安くてもきちんと責任がとれなければならない」と述べ、自社技術を駆使することで、コストだけではなく、高い品質を確保していることをアピールした。

 STDとHAという2つのサービスを密連携できるのも特徴だ。負荷変動の大きいWebサーバーを短期間に束ねる場合はSTD、基幹業務用のDBの設置などはHAがお勧めになるという。また、マルチクラウド管理に対応し、両者を統一したインターフェイスから管理できる。「セルフサービスポータル」から、サーバー、ストレージ、ネットワークの作成・変更ができるほか、監視やリソースの利用状況を参照することも可能だ。

 さらには同社の十八番ともいえるSDN(Software Defined Networking)ソリューションも導入されている。プライベートアドレスを変更せずにクラウドに移行したり、短期間のプロビジョニング、柔軟なネットワーク変更などが実現する。

クラウド基盤においてSDNを積極的に活用

 NECが顧客に変わってシステム全体を統合運用するオプションサービスも提供。セキュリティに関しては、セキュリティオペレーションセンターがNEC内部のセキュリティ専門組織(CSIRT)と連携し、サイバー攻撃の防御、セキュリティ監視、ID&アクセス管理、内部統制対応などを実現。メーカーであり、SIerでもある同社の強みを活かし、システムの安全性やセキュリティといったクラウドの不安を解消するという。

NECで最大規模の新データセンターも開設

 また、サービス拠点として「NEC神奈川データセンター」を新たに立ち上げる。同データセンターは新宿駅から約1時間というアクセスで、活断層や海岸からも離れた立地が特徴。ラック数は同社で最大規模となる3000ラック相当となる予定だという。もちろん、電気設備や空調設備、セキュリティもハイスペックを標榜しており、ISO/IEC27001やFISCに準拠。SOCなどの規格にも対応する予定となっている。

都心から近いNEC神奈川データセンターの完成イメージ

 NEC神奈川データセンターの開設は1月を予定しており、NEC Cloud IaaSは4月に提供開始。2014年の下期以降に、オンプレミス基盤やPaaS、グローバル向け基盤などを構築。2017年度までに1200億円規模の売り上げを目標とする。

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