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92%の確率で復旧させる秘密の部屋は社長も入室厳禁!

故障HDDから救出!データ復旧サービスセンターに潜入

2013年09月24日 11時00分更新

文● 二瓶 朗 撮影●篠原孝志(パシャ)

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故障したHDDから大切なデータを救出するプロフェッショナルたちが集う「ロジテック データ復旧技術センター」に潜入! データ復旧サービスにまつわる貴重なお話を聞いた

故障したHDDからデータを救出する
ロジテック データ復旧技術センターに行ってきた!

データ復旧サービスとは何ぞや?

 観測史上最高気温を更新する暑さが続いたと思ったら、大雨による浸水が起こったり、各地で竜巻が発生したりと、大荒れの天気に振り回される日本。こんな温度・湿度の激しい上下動にもっともセンシティブなのが精密機器だ。特にHDDをはじめとする「記憶媒体」にとっては厳しい環境といえるだろう。この夏、突然HDDが動かなくなってしまった! なんて経験を持つ読者も少なくないのでは?

 筆者も、どうにか復旧させようと無駄な努力を重ねたあげく、泣く泣くあきらめた経験のある1人だ。そんな筆者のもとに届いたのが「ロジテックの技術・ノウハウを伝承しているロジテックINAソリューションズが国内工場でデータ復旧サービスを運営している」という情報。しかもデータ復旧サービス付きストレージまで販売中とのこと。

 ロジテックといえば1982年から30年以上にわたってHDDなどのストレージ製品を取り扱っており、お世話になっている読者も多いのではないだろうか? そんな老舗がデータ復旧サービスを国内で直接運営している! となれば、俄然興味が湧いてくる。

 というわけで今回は、長野県伊那市の「ロジテック データ復旧技術センター」にお邪魔して、実際の作業の流れから、復旧を妨げてしまう“べからず集”まで、データ復旧サービスの詳細を技術スタッフの方々に直接伺った。目からウロコの連続だった工場潜入記の始まりだ!

復旧率92%の実績を支える“七人の侍“

 新宿駅西口に集合した取材班は、一路長野県伊那市「ロジテック データ復旧技術センター」へ。途中、伊那名物の炒肉麺(ローメン)に舌鼓を打ちつつ、クルマでおよそ3時間の道のりだった。

伊那市の名物、「ローメン(肉麺)」。炒められた麺の上にマトン(羊肉)が乗っている。市内にはローメンを提供する飲食店が90店舗もあるとか

 現地に到着後、さっそくロジテックINAソリューションズのデータ復旧技術センター長である仁田智之氏、そして技術スタッフの今井隆氏、唐澤一樹氏のお三方にお話を伺った。データ復旧技術センターに所属する技術スタッフはお三方含め計7名で、いずれもデータ復旧のエキスパート。開発の現場を歩いてきた人が多く、ストレージの裏表に精通した頼れる“七人の侍”といえよう。

左から唐澤一樹氏、仁田智之氏、今井隆氏

 まず、データ復旧サービスについてその特徴をまとめよう。

 この「ロジテック データ復旧サービス」は、2007年にサービスを開始し、今年で6年目。実際は、サービス開始以前からユーザーサポートに寄せられるデータ復旧要請を個別案件として対応してきた実績もあることから、その歴史は長いといえる。なお、データ復旧を依頼するのは8割が法人とのことだが、最近では個人の依頼が徐々に増加しているという。

データ復旧技術センターの受付には、ロジテックがこれまで手がけてきたストレージ製品が展示されていた。30年以上続く歴史を感じさせる
データ復旧技術センター長の仁田智之氏

 次に、ロジテックINAソリューションズが手がけるデータ復旧サービスの強みは、前述したように30年以上ストレージを扱っている国内メーカーが直に手がけているという信用の高さがまず挙げられるだろう。

 なんといっても国内で製品販売から復旧まで取り扱えるのは、エレコムグループのみだという。そして、その経験値の高さから、データ復旧率はなんと92%を誇る(エレコム調べ)という実績の高さも魅力だ。

 そして、データ復旧サービスを利用する場合、どの程度までデータを復旧できるかを調査した上で、ユーザーに復旧可能なデータのリストが提示される。そのリストを見て実際にデータ復旧を実行するか否かを決められるのだが、たとえここでデータ復旧をキャンセルしたとしても、料金は無料だ。

 依頼の入り口が無料であることは非常に安心できる。調査にかかる日数は1~5日ほど。そして復旧実行を依頼すると、最短でその日の内にデータ復旧が完了することもあるとか。業務上必須なデータを救出してもらいたい場合、この素早さはとてもありがたい。

 復旧作業は、伊那市のデータ復旧技術センターで行なわれる。他社の復旧サービスでは海外で作業することも少なくないので、目当てのデータが手元に届くまでの時間は段違いと言ってよいだろう。

 また海外に送付するサービスの場合、法人では自社データが海外流出しかねない懸念もあってなかなか頼みにくいものだが、国内で作業が完結しているので、そのような不安とは無縁。さらにISO/ISMS認証も取得済みだ。

 さらに、データ復旧技術センターの作業ルームはセキュリティー上、技術スタッフ7名と担当役員1名のみが入室可能で、同社の社長ですら入室不可なのだという。今回の取材でも、作業ルームがどこにあるのか、その位置すら教えていただけないほど機密性が高かった。

データ流出を懸念してしまう法人にとっては気になる指標である「ISO/ISMS認証」の証書も展示されている

 データ復旧サービスが取り扱っている記憶媒体は、サーバーやパソコンの内蔵HDD外付けHDDCD・DVD・BDなどの光学メディア、メモリーカードUSBメモリーSSDといったフラッシュメモリー。珍しいところではフロッピーディスクMOなども扱っている。

 最近、スマートフォンのデータ復旧の依頼が増えているというが、通信端末というセキュリティーの高さから、データ復旧は厳しいという。また、暗号化されているHDDの場合も、HDD単体では復旧はほぼ不可能。暗号化した際に接続されていたPC本体があれば復旧は可能なこともあるという。

火災で焼け焦げたHDD。素人目には絶望的に見えるが、無事にデータは救出されているそうだ

 技術スタッフの今井氏によれば、「HDDの暗号化は確かにセキュリティーを高めることが可能ですが、同時に、容易にはデータが復旧できなくなることを意味します。暗号化する際には、定期的なデータのバックアップが必須であることを心しておいてほしいです」とのこと。セキュリティーの確保とデータ復旧の可能性は表裏一体ということだ。

 また、受け付けられないストレージも若干存在する。テープメディア、そしてテレビなどに接続するHDDレコーダーやゲーム機に内蔵されたストレージが代表例だ。

光学メディアや各種メモリーからもデータ救出が可能最近めっきり見かけなくなったコンパクトフラッシュカードサイズの超小型HDD「マイクロドライブ」もデータ復旧可能だ!

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