このページの本文へ

秋の夜長にいい音楽を! 至高のPCスピーカーを選ぶ 第2回

8000円からの本格アクティブ型スピーカー選び!

2013年09月03日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

存在感たっぷりの大きさ! DJユースの重低音スピーカー
パイオニア「S-DJ50X」

パイオニア「S-DJ50X」

パイオニア「S-DJ50X」。周辺をラウンドさせた形状で、家庭で使っても違和感のない顔付き

 パイオニアが9月下旬に発売する「S-DJ50X」(予想実売価格3万2000円前後)は、PC用ではなくどちらかというと、業務用モニターの系統にあるモデル。

 そのため、サイズも幅197mmとPCと並べて置くにはちょっと大きい。このくらいのサイズになると、PCを置くテーブルではなく、テーブルの両脇に背の高いスタンドを置いて設置するほうがベターだろう。

 型名の通り、DJシーンや、クラブ系音楽の再生を意識したモデルだが、見た目やサイズだけでなく、本格的に業務用アクティブ型スピーカーの技術が盛り込まれている。

 丸くくぼんだトゥイーター部は下側に凸形状ディフューザーを設けている。これは、パイオニアの業務用ブランド「TAD」で採用された「DECO技術」を応用したもの。これにより、音の広がりを拡大し、音像定位の向上も果たしている。

 パワーアンプにはABクラス動作のアンプをバイアンプ駆動(トゥイーターとウーファーをそれぞれ個別のアンプで駆動すること)で搭載しており、本格的な業務用スピーカー的な内容になっている。

トゥイーターの下側にある半月状の出っ張りに注目。電源オン時にはLEDが点灯する

トゥイーターの下側にある半月状の出っ張りは、電源オン時にLEDが点灯する

背面にはアナログ入力のほか、バランス入力も備える。音量調整のほか、ゲイン調整も行なえるようになっている。電源端子は左右それぞれに配置される。完全に左右が独立した構成で、アンプも両方が内蔵しているのだ

背面にはアナログ入力のほか、バランス入力も備える。音量調整のほか、ゲイン調整も行なえるようになっている。電源端子は左右それぞれに配置される。完全に左右が独立した構成で、アンプも両方が内蔵しているのだ

 PC用スピーカーとしてはもちろん、一般的なアクティブ型スピーカーとしても意外なのが、左右に独立したアンプを内蔵していること。左右のスピーカーを配線する端子はなく、両方に電源が必要なタイプだ。

 接続はRCA端子のほか、バランス入力も備えているので、スタジオ機器やDJ機材との接続にも対応している。

 クラブ系のシリーズということで、個性的な音を予想していたが、意外にもモニター的なクセのない音だ。低音はさすがに量感たっぷりで、ロックの曲などを聴くと、ベースがブリブリと鳴るし、ドラムの打音の力強さや重量感も出る。しかし、ダブダブに膨らむようなことはなく、リズムをしっかりと感じ取れるレベルに抑えられおり、重低音好きな人には好ましいバランスと言えるだろう。

 クラシックなどを聴くと、オーケストラのスケール感もしっかりと出て堂々とした演奏になる。中高域はヌケがよく音場の再現もなかなか優秀だ。音圧がしっかりと出て反応も良いので、低音のパワーに埋もれてしまようなことがなく、バランスの良い再現になっている。

 女性ボーカルは、黒人女性ボーカルの肉付きの良い感じの再現になる。やや太めでグラマラスな感触だ。透き通るような透明感を求める人には合わないかもしれないが、たっぷりとした声量とエネルギー感を感じる再現は多くの人には好感の持てる再現と言える。

 全体にたっぷりとした低音と勢いの良いエネルギー感が特徴的で、確かにDJシーンでのサウンドに合うものと思えるが、それでいて業務用モニター的な正確さもきちんと備えており、トータルでのバランスは優秀。クラブ系音楽が好きな人が最適だが、ロックなどをエネルギッシュに聴きたいという人にも合うと思う。

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン