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せきゅラボ研究結果 第4回

生活そのものが穴になる時代に “デジタルライフを安心サポート”

OSはウェブサービス利用の器でしかない~PC防御とLiveSafe

2013年09月09日 11時00分更新

文● 外村克也(タトラエディット)

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 個人向けの新たなセキュリティ製品『McAfee LiveSafe(リブセーフ)』を紹介する連載第4回。
 前回まで3回にわたって、個人向けとして代表的な3つのOS、Windows、Mac、Androidにおけるセキュリティ事情を大まかに紹介してきました。今回からは前後編でMcAfee LiveSafeに搭載された機能群の使い勝手を掘り下げて解説します。まずはPCにおけるLiveSafeの使い勝手をチェック。ウェブ・クラウド対応が一層重要になった現在、セキュリティ製品にLiveSafeを薦める理由は?

データ流出の怖さを知らしめた山田オルタナティブ

 WindowsであれMacであれ、必須となっているセキュリティ製品。この数年、SNSの発展やスマホの普及など、ネット上で個人情報を多く扱う時代になり、その役割は大きく変わってきている。実際、セキュリティ製品に必要な機能は何かと考えたとき、じつに多様な要求が発生しているものだと実感する。

 じつは、セキュリティ製品の位置づけが変わりつつあることを象徴する事件が2004年から数年間にわたって起きていた。

 Winny向けウイルス、通称「山田オルタナティブ」「アンチニー」などの大流行だ。これはP2Pソフトで流通していた違法ダウンロードゲームなどに仕込まれたウイルスで、感染するとPCのマイドキュメント内のファイルすべてをWinnyのネットワークに放流するというもの。

警察庁による「山田オルタナティブ」解説図

 これの恐ろしい点は、仕事のデータだろうが、個人情報だろうがお構いなしであること、そしてマイドキュメント内には個人情報を特定できるファイルが少なからず含まれていることだ。一度ネットの大海原に流れてしまえば、回収は不可能。データを削除することはできず、職場からは責任を負わされてしまうなど、後悔してもしきれない。

 このウイルス事件のおかげ(?)で、PC内のデータを壊されるのではなく、無制限に拡散されてしまうという新たな種類の恐怖を、誰もが感じたはずだ。データは破損ではなく流出したときのほうが、よほどダメージが大きいことを知らしめたウイルスといえる。

 それから約10年。クラウドサービスの本格普及も相まって、我々のネット依存度は高くなる一方だ。PCへの侵入を防ぐ、感染を防ぐに加えて、流出を防ぐという第3の防衛線を張ってこそ、初めてセキュリティ環境を整えたといえるだろう。

トレンドを押さえたセキュリティ製品

 そうした観点から見れば、マカフィーの「McAfee LiveSafe」は非常にバランスのとれたセキュリティソリューションだ。さらに言うと、現行のどの製品よりも“現在進行形の問題”に取り組んでいる。

 まず、マルチプラットフォームに対応した製品だということ。もはやPC環境のメインステージは、クラウドやSNSなどウェブサービスに移ったと言っていい。OSはそうしたサービスを利用するための器に過ぎない。それはAndroidで動くスマートフォン・タブレットも同じだ。

 以前はWindowsからMacに乗り換えたり、その逆を行なうとなると多大な労力を要したが、現在は案外手軽に乗り換えられてしまう。これはクラウドサービスの恩恵といって良いだろう。WindowsからMacに乗り換えるユーザーが増えているようだが、そうした場合にLiveSafeのマルチプラットフォーム対応は都合がいい。Windows用とMac用に若干の機能差はあるが、侵入、感染、流出を防ぐキホンに関しては共通だ。

Windows版のメイン画面。リアルタイムスキャンや、ウェブとメールの保護など、目的別に機能がジャンル分けされている

こちらはMac版。画面左側に主要機能の一覧が並ぶ。ダイレクトにジャンプできるため、使いたい機能がすぐに開ける。見た目こそ違うが、主要機能は両方に搭載されている

 たとえば、侵入を防ぐ点。現在主流の攻撃方法となっているのが、ウェブを見ただけで感染してしまう「Drive-by Download」。改ざんされた企業の公式サイトなどにも潜んでいる可能性があるほか、SNS経由で友人から届いたURLを踏んだその先が……など、なかなか個人では防ぎようがない。

 これに対して、LiveSafeではウェブブラウザー向けに「サイトアドバイザー」という機能が用意されている。これは、事前にサイトの安全性をチェックしてくれるもので、検索結果などのリンクの周りにアイコンを表示して、危険性の高いページがひと目でわかる。また、悪意あるページに飛ぼうとクリックした瞬間に、警告画面が遮ってくれる親切設計だ(もちろん、サイトアドバイザーの判断を無視して、警告画面からあらためて該当ページに飛ぶ自由もある)。

 Drive-by DownloadはMacを対象とした攻撃も増えつつあり、OSを問わない攻撃の代表例だ。現代のセキュリティ製品に、サイトの安全性チェックは絶対に外せない機能なのである。

左がWindows版、右がMac OS X版のサイトアドバイザー。両OSとも、機能もインターフェイスも同じ。検索結果に表示されたリンクを事前に確認し、アイコンで安全なサイトであるかどうかを教えてくれる

誤って危険なリンクを踏んでしまっても、即座にサイトアドバイザーのチェックが入り、警告が表示されるので安心だ

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