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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第29回

ボケるのがこの連載の趣旨でしたよねって考えるIT用語

2013年09月12日 18時00分更新

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回答編


ディザスタリカバリは災害対策のことよ。地震など広範囲な被災で情報システムがダウンした際、予備設備・施設などで復旧させること、もしくはその計画のことね。


なんてこった……まさかボケようとして本当に正解してしまうなんて。痛恨のミスだ。企画の主旨を理解してないと言われても仕方ない……。


そんな凹まなくても……いいじゃない、たまには用語をありのまま解説しても。


何言ってるんですか! この企画は『中二っぽい単語を取り上げ、その意味と語感のギャップをゆるく楽しんでくもの』ですよ。語感と意味が一致していたらギャップもクソもないじゃないですか。もうだめだ……芸人失格だ……。


あんた芸人じゃなくて会社員でしょう。ま、いいわ、説明続けるわよ。ディザスタリカバリで一般的なのはデータセンターの二重化ね。メインセンターと同じ設備を遠隔地の施設に構築する。


同じ設備……? ネットワーク機器からサーバまで全部ってことですか?


そういうケースもあるわね。金融機関のシステムみたいに業務の継続性が第一に考えられる場合は全機能・全人員、完全二重化ってのもありうる。ヘルプデスクから何まで全部ね。


すごいお金かかりそうですね……。


まぁね。バックアップ設備って障害が起こらない限り役立たずなわけだから、そこに莫大な費用をかけるべきかって議論はあるわよね。だから通常はシステムの重要性に応じてスペックを下げる。非常事態は多少レスポンスが落ちても仕方ないと割り切ってしまう。


ああ、インターネットの帯域を細くしたりサーバの処理能力を落としたりですか。


もっと言えばバックアップデータのみ遠隔地に保存して、メインセンター障害時はそのデータを戻すって方法もある。もちろんかけるお金が少ないほど耐障害性・業務継続性は落ちていくわ。どこまで備えておくかはシステムの重要度とコスト見合いね。


一種保険みたいなもんですよね。想定されるリスクに備えて掛け金を決めておく。手厚い保証が欲しければ大目に、そうでなければそれなりに……と。


まさしくね。ただ日本は地震国だし、いやしくも社会インフラを預かるならそれなりの備えはするべきよ。災害やテロが起きたときにどうなるかきっちり想像力を働かせていかないと。


……想像力! 今日のキーワードはこれですね。現状をありのまま受け取るのでなく常に不測の事態を想定する。物事の裏の裏を斟酌する。いやぁ勉強になるなぁ。


うんうん、じゃあ早速想像力を働かせてみて。今私はあんたに何を言いたいかしら?


え? 言いたいこと……ですか? ……あれ、何か僕忘れてましたっけ。今日中のタスク……は消化してるし週報も……んー、特に見落としてることないと思うんですが。


(にこにこ)


(わ、忘れ物じゃないのかな?)えっと……ひょっとしてよくまとめたねと褒めてくれるとか?


んなわけないでしょ! あんた以前業平産業の提案(*1)ディザスタリカバリの話したじゃない。今更概要説明させるとかどういうつもり!? なめてんの!?


しまった! 広域災害(ディザスタ)発生! これより待避(リカバリ)に入る! 逃げろー!


待ちなさーい!


(*1)3巻参照


【解説】

ディザスタリカバリ
文字通りDisaster(災害)Recovery(復旧)のこと。地震など広範囲な被災で情報システムがダウンした際、予備設備・施設で障害を復旧させる。復旧手段はピンキリであり、「バックアップデータを展開するだけ」から、「遠隔地のデータセンターで業務を引き継ぐ」まである。通常システムの重要性とコストを勘案し対策のレベルが決定される。

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