このページの本文へ

PaaS向けに特化された統合型システム

POWER7+ベースのPureApplication Systemにエントリモデル

2013年08月28日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 8月27日、日本IBMは「POWER7+」を搭載した垂直統合型システム「IBM PureApplication System W1700」のエントリモデルを発表した。9月13日よりIBMおよびIBMパートナー経由で提供を開始する。

POWER7+を搭載するW1700モデルとエントリモデル

 PureApplication Systemは、ハードウェア、ソフトウェア、システム構築に必要な設定などまで最適化した「エキスパート・インテグレーテッド・システム」である「IBM PureSystems」ファミリーの1モデル。特にWebアプリケーションやデータベースをはじめとする多様なソリューション向けに設計およびチューニングされた、PaaS環境構築のためのプラットフォームとして提供される。

 今回発表されたのはPOWER7+を搭載するW1700モデルのエントリモデルで、プロセッサー数が32コアまたは64コアの2種類が提供される。POWER7+アーキテクチャーの特長である仮想サーバーの高い集約率と処理能力や、ハードウェア上でサーバー仮想化を実現する「PowerVM」による高いセキュリティーと可用性などを備える。従来の96コア以上を搭載するW1700モデルと同等の機能を実装しながら、ラックサイズをおよそ2/3に、消費電力をおよそ1/3に抑えるなど、導入や運用の負担の軽減を実現する製品になっているという。

災害対策や垂直スケーリングなど機能も拡張

 また、今回発表のエントリモデルも含めたIBM PureApplication Systemシリーズ全般において、以下のような機能強化を行なった。

容易に構築・リカバリーできる災害対策機能
物理的に異なるシステムや拠点間での災害対策構成を、5ステップの設定で作成できる。万一の際は、2ステップの操作で、リカバリが可能。8000kmまでのシステム間の物理的な距離に対応でき、またユーザーが作成したものを含むすべてのパターンをリカバリ対象にすることができる。
垂直スケーリング機能のサポート
システムに高い負荷がかかった際に自動的にリソースを拡張して業務を継続するためのスケーリング機能を強化。必要に応じVMの数を自動的に追加する「水平スケーリング」に加え、CPUやメモリーを既存のVMに自動的に追加できる「垂直スケーリング」を新たにサポートした。また、「水平スケーリング」と「垂直スケーリング」を組み合わせたスケーリング・ポリシーの設定も可能になった。
ファイル暗号化機能
ファイルシステムで指定したディレクトリ以下を、自動的に暗号化。システム運用の一環としてOSやミドルウェアまでの管理が可能な仮想システムパターン、クラウド環境に適した管理を提供する仮想アプリケーションパターンのいずれも、暗号化が必要なディレクトリを指定したパターンを作成、展開できる。
運用管理機能の強化
IBM PureApplication System上で稼働するOSおよびIBMミドルウェアのライセンスや修正プログラムの管理機能を強化した。IBMの管理サーバーと連携し、必要な追加モジュールや修正プログラムの確認や取得を容易にする。
W1500モデルにおけるWindows OSサポート
従来のLinuxに加え、新たにWindows 2008 R2をサポートした。ライセンスについては、「Bring-Your-Own-Licence」方式を採用しており、ユーザーがすでに保有しているWindowsライセンスを有効活用できるという。

■関連サイト

カテゴリートップへ