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BlackBerryが自社売却を含めた新戦略を模索へ

2013年08月13日 21時00分更新

文● 末岡洋子

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 カナダのBlackBerryは8月12日、特別委員会を設置し、代替戦略を探ることを発表した。可能性として、自社売却も視野に入れているという。

 一時期はビジネスユーザーのマストアイテムと言われ、黎明期のスマートフォンをリードしたBlackBerryだが、フルタッチ操作をベースとするiPhoneとAndroidによる新しい波に乗れず、ここ数年苦戦を強いられている。2010年の第4四半期に14.3%あったシェアは、2012年の第4四半期には3.5%に落ち込んでおり、第2四半期にはついにWindows PhoneにNo.3の地位を譲っている。

 特別委員会の設置はこのような状況を受けてのものとなる。BlackBerryは今年1月末に最新OSである「BlackBerry 10」(BB10)を発表しており、BB10とプッシュ型Eメールのためのミドルウェア「BES10」の実装を加速する戦略を探るとする。具体的にはジョイントベンチャーの立ち上げ、戦略的提携、売却などを可能性に挙げている。

新プラットフォーム「BlackBerry 10」搭載端末はフルタッチ型の「BlackBerry Z10」、QWERTYキーを搭載する「BlackBerry Q10」が登場している

 メンバーは現在、CEO兼社長を務めるThorsen Heins氏ら4人で、プライベートエクイティーであるTGP CapitalのTimothy Dattels氏がチェアーとなる。この特別委員会設置を受け、BlackBerryの最大株主であるFairfax FinancialのCEO兼会長、Prem Watsa氏は利益の衝突を避けるために取締役を退任することも発表している。

 BlackBerryは2012年5月にJ.P Morganの助言をうけながら戦略見直しを進めることを明らかにしていた。Heins氏はBB10の長期的機会を楽観し、「われわれには顧客が受け入れている素晴らしい技術があり、バランスシートは堅調で、これまでの経過に満足している」と述べている。特別委員会での戦略模索と平行して、コスト削減、効率改善、BES10実装の加速などの既存の対策を進めていくという。

 BB10を搭載したスマートフォンは「BlackBerry Z10」などが投入されているが、最初の四半期での売上げは270万台にとどまっている。

 同社を巡ってはこれまで、Microsoft、Lenovoなど複数の企業が買収するという憶測があった。特別委員会設置を正式に発表したことで、すでに様々な買収の憶測が出ている。


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