このページの本文へ

エクイニクスの最新データセンターは立地のよさが売り

金融機関の御用達になるか?「TY4」が大手町にオープン

2013年08月09日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

8月8日、エクイニクスは東京で4番目となるデータセンター「TY4」を開設した。日本の金融の中心であり、国内の主要なIXが集中する大手町に作られたTY4は、立地のよさを最大の売りにする。

アジア・パシフィックに積極的な投資

 エクイニクスはグローバルで「International Business Exchange(IBX)」というデータセンターを展開するほか、キャリアニュートラルなインターコネクトを提供している。発表会において、エクイニクス CIOであるブライアン・リリー氏は、こうしたビジネスの概要を説明すると共に、安定した財務基盤や幅広いデータセンター展開、4000社以上にグローバル顧客などを強調した。また、クラウドやコンテンツ事業者、金融サービス、エンタープライズなどの顧客をキャリアニュートラルでつなぎ、IBXデータセンターに集約することで、エコシステムを構成しているのが大きな特徴になるとアピールした。

エクイニクスCIO ブライアン・リリー氏

 同社ではトラフィック増大に伴って、世界各地で投資を進めているが、重要なのはアジア・パシフィック地域(APAC)へのコミットだ。現在、APACにおいては6都市で、18のデータセンターを保有。シンガポール、香港、東京、シドニーはもちろん、ジャカルタ、上海、大阪などアジア・パシフィックでのデータセンター需要に応えるという。「お客様が拡大して欲しいところに拡大している。直近のデータセンターの13のうち6拠点がアジアだ」(リリー氏)。

アジア・パシフィックでのデータセンター展開

 同日に開設されたTY4は東京大手町というロケーションが大きな売りとなる。国内主要なIXが集中しており、150にもおよぶ通信事業者、コンテンツプロバイダーが相互接続。また、国内の主要な通信事業者が光ファイバー網を引き詰めており、複数のPOPを利用することも可能だ。実際、TY4の入っている大手町フィナンシャルシティは、NTTコミュニケーションズやKDDIなどの大手通信事業者のビルに挟まれた絶妙な場所となっており、ネットワーク面で一等地であることは間違いない。また、こうした恵まれた通信環境だけでなく、国内主要企業が本社を置く日本最大のビジネスエリアでもある。

報道陣に公開されたTY4のサーバールーム。グローバルで統一された色調となっている

 既報(ビジネスと通信の“ど真ん中”に作るエクイニクス「TY4」)の通り、災害対策やセキュリティに関しても万全を期しており、金融機関のメインデータセンターとして使える高いスペックを持つという。もともと大手町は都内でも災害時の危険性が低いが、TY4が入るビルでも安全対策が複合的に講じられており、地震や水害などに対する高い耐障害性を有するとのことだ。

 エクイニクスは2013年内に開設する同社初の大阪データセンター(OS1)とあわせ、2大都市圏での展開を進め、既存のグローバル顧客からの要望を満たすという。

カテゴリートップへ