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直販市場のパイオニアに月刊アスキー遠藤元編集長が直撃取材!

20周年を迎える「エプソンダイレクト」の変わらぬこだわり

2013年08月30日 11時00分更新

文● 真島 颯一郎 写真●曾根田 元

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当たり前のことがとても難しい

エプソンダイレクトの技術部で部長を務める溝口英敏氏。とくに、同社の製品でこだわってきた“信頼性”について熱く語っていた

遠藤 品質へのこだわりって、ある意味で“当たり前”みたいなところがありますよね。特に日本のメーカーであれば。

エプソンダイレクト溝口英敏氏(以下溝口氏) 確かに当たり前のことなんですよね。だけど、これが難しいのです。パソコンの場合は、安いパーツを集めてきて適当に組み立てれば、とりあえず動くものは作れてしまいますからね。

遠藤 御社の製品はパーツの品質にこだわっているということですか?

溝口氏 私たちが気にしているのは、個々のパーツの仕様だけではなくて“それぞれのパーツを組み合わせた時にちゃんと動くか”ということです。発熱はどうだろうか、騒音はどうだろうか。電源の容量なんかも考慮して、お客様がマックス構成で増設したときに満足がいくようなマシンになるかを、すべて計算してやっています。そんなことはPCメーカーに言わせれば当たり前なのですけどね。

遠藤 なるほど。

わずか2.7リットルの容積の超小型化を実現した「Endeavor ST」シリーズの初代機(写真左)と、徹底したツールフリー構造で抜群にメンテナンス性が優れている「Endeavor Pro」シリーズ(写真右)

溝口氏 単にBTOで組み合わせを選べますということではなくて、“すべての組み合わせをメーカーとして保証できる”ところがウリなんです。それを続けてきたということが私たちの自信であり、モチベーションになっています。もちろん、これまでにまったく問題が起こらなかったわけではありませんが、今でもちゃんとやり続けるということを基本的な考え方にしているんです。だから、大変なのですけどね(一同苦笑)。

エプソンダイレクトの技術部商品技術1グループ課長である茅野匡浩氏。2011年にあったタイの洪水の影響で地球の裏側に近い場所までハードディスクを探しに行ったという

エプソンダイレクト茅野匡浩氏(以下茅野氏) 2011年にタイの洪水でハードディスクが調達困難になったときが大変でした。まとまった数のハードディスクがなかなか入手できませんでした。でも、ハードディスクなら何でも良いのではなく、我々の要求スペックを満たし、なおかつPCとしてほかのデバイスを含め、すべての組合わせを保証する基本的な考えはどんな場合でも譲れませんでした。

溝口氏 本当に苦労したよな(笑)。

遠藤 どうされたんですか?

茅野氏 すべて片端からハードウェアをチェックして、問題のないものだけを選びました。

遠藤 それは大変。あのときは、もうパーツそのものがないわけですよね。

茅野氏 地球の裏側に近いところまで行きましたよ。そうして世界中からかき集めたものの中には、チェックの結果、当社基準でNGとなり、使わなかったものもありました。当社では、きちんと問題のない部品しか提供していないので、品質には自信があります。お客様は安心していただきたいですね。

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