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業界人の《ことば》から 第51回

発売イベントはやる、絶対

8月末からWindows 8.1 RTMが登場、未知数多いMSの戦略

2013年08月08日 08時00分更新

文● 大河原克行

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Windows 8への反省、PC不振の失敗をリベンジできるか

 だが、そうした状況であるにも関わらず、日本マイクロソフトの樋口泰行社長は、「個人的な想いであるが」と前置きしながらも、「Windows 8.1の発売記念イベントは、100%やりたいと思っている」と発言する。

 「形はどうなるかわからない、だがどんなものであっても、少しでも業界を盛り上げることにつながるのであれば、やる価値はあるのではないか」と続ける。

 アップデート版での発売イベントはこれまでに例がないだけに、どのぐらいの規模で、どんな切り口で行うのかは、まさに未知数だ。

 振り返ってみれば、2012年10月のWindows 8の発売に際して、マイクロソフトはマーケティング面において、大きな反省があった。

 発売直前まで情報を抑え、発売日にサプライズ感を高めるという施策に取り組んだものの、その裏返しとして、タッチ機能をはじめとする新機能のメリットや、タブレットや2in1という新たにフォームファクターについての訴求が遅れ、結果として、PC市場の停滞感を払拭できなかった。

 業界関係者の間からは、「新たなOSが登場した年に、コンシューマPCが2桁のマイナス成長になったのは初めてのこと」と、Windows 8の不発ぶりを指摘する声もあがっていた。

 そうした意味でも、Windows 8.1の登場によって、Windows 8での「失敗」をリベンジするチャンスが早くも巡ってきたといえる。

スタートボタンがついたWindows 8.1

 スタートボタンをはじめとして、Windows 8の課題を解決した新たなOSだけに、改めて訴求できるポイントも少なくない。

 樋口社長の言葉を裏付けるように、日本マイクロソフト関係者によると、「まだ決定している内容はなにもない」としながらも、Windows 8.1のリリースにあわせて、なにかしらのイベントを検討している事実は明らかにした。

 果たして、日本マイクロソフトは、Windows 8.1によって、PC市場およびWindows陣営をどんな風に盛り上げるのか。

 昨年のWindows 8以上の盛り上げを期待したいところだ。

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