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アスキースマホ総研 第8回

9月に登場!? 自分たちが欲しい次期iPhoneを勝手に妄想

2013年08月13日 11時00分更新

文● アスキースマホ総研

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次期iPhoneでは対応する周波数も変わる!?
auの800MHz帯のLTEが利用できるとどういうメリットが?

ドロイド ここまではiPhone全体の話をしてきましたが、日本でどうなるかという妄想をしましょう。

カリー iPhoneで使える周波数が増えたりするんでしたっけ?

ドロイド あくまで可能性で確かなことは何も言えないですけどね。たとえば、auの800MHz帯のLTEを次期iPhoneがサポートするかどうか。

スピーディー 前々回のスマホ総研でAndroidスマホと使った通信回線のテストしました。auのLTEネットワークは800MHz帯がメインで、800MHz帯の基地局は下り最大75Mbps対応が大半。実際テスト結果も高速でした。iPhone 5では2.1GHz帯しか使えないんですけどね。

auのAndroidスマホの通信速度はテストでも非常に高速だったが、その大きな要因が800MHz帯のLTE。これが次期iPhoneでサポートされると強力なのだが……

ドロイド あと、700~900MHzの周波数って「プラチナバンド」と呼ばれるように携帯電話に適している。なぜかというと、ビルの合間などにも回り込みやすいし、建物の中にも入りやすい。auの800MHz帯のLTEに対応すると、au版のiPhoneにとっては、大きな武器になりそうですね。ちなみにソフトバンクのプラチナバンド(900MHz帯)もiPhoneに対応しているのですが、当面は使える周波数幅の問題もあってLTEでは使えないでしょう。

iPhone 5で対応している2GHz帯に対し、プラチナバンドと呼ばれる700~900MHz帯の電波はビルを回り込むだけでなく、ビルの中への浸透度も高く、スマホには有利な周波数である

次期iPhoneはTD-LTEもサポートする?
どこがサービスを提供している?

カリー あとTD-LTEってのはなんなのですか? これも次期iPhoneで対応する可能性があるとかないとか。

ドロイド 技術的な話をすると長くなりますが……。今一般的なLTEはFD-LTEとも言って、下りと上りを別々の周波数で通信します。それに対し、TD-LTEは同じ周波数で下りと上りを、時間で分けて交互に通信するんです。つまり、通信規格が異なるのです。ただ、基本は同じLTEなので、両方に対応する端末を作るのはすごく難しいわけではないんです。

カリー なんとなくわかったような。で、TD-LTEのサービスって、日本でも始まっているんですか?

ドロイド ソフトバンクが「SoftBank 4G」というサービス名で、Androidスマホ用に提供しているのは実質的にTD-LTEです。一方、iPhone用の「SoftBank 4G LTE」はFD-LTEです。ドコモの「Xi」やauの「4G LTE」もFD-LTEですね。

スピーディー 前々回の速度テストはAndroidスマホを使ったので、ソフトバンクではTD-LTEによる「SoftBank 4G」の実力を測定したことになります。バラツキはあるものの、都内では10~30Mbpsくらいとまずまず高速な結果が出ていました。

ドロイド ただ、TD-LTEを提供するのはソフトバンクだけじゃないんです。KDDI傘下で今はWiMAXを提供しているUQコミュニケーションズも先日周波数を獲得して、10月末からTD-LTEと互換性がある、下り最大110Mbpsのサービスを始めると公表しています(関連記事)。もし本当に次期iPhoneがTD-LTEに対応するなら、ここでの競争も激しくなりそうです。

カリー ところで、ドコ……。

ドロイド なんとも、わかりません!

カリー 回答はやっ! でも、この秋にドコモからiPhoneがリリースされて、インパクトはあるのかな。ドコモユーザーで、以前からiPhoneを使いたいと考えていたけど、ドコモから離れるのは嫌という人にとっては、間違いなくうれしいニュースだろうけど。

SIMフリー版iPhoneでなければ不可能なドコモ+iPhone。ドコモからiPhoneが発売されることはあるのか?

ドロイド 前々回のテストを見てもわかるように、ドコモが現在LTEでメインに使っている2.1GHz帯のネットワークは混雑もあるのか、やや厳しい状況です。この秋にドコモからiPhoneが出たとしても、「ドコモのiPhoneはさすがに速い!」というのは難しいかと。ただ、ドコモは今秋から1.8GHz帯(1.7GHz帯)でもLTEを始めようとしているのですが、これは世界共通の周波数でiPhone 5でもすでに対応している。

スピーディー イー・モバイルのLTEが同じ1.8GHz帯で、ソフトバンクのiPhone 5がこの電波を「ダブルLTE」で使ってますね(関連記事)。

カリー 周波数の話は複雑で難しいですけど、実際に次期iPhoneが登場して、対応状況がわかったら、またあらためて解説してください。あとスピードテストも必ずしましょう。

各社が提供しているLTEの周波数と
端末の対応状況

  ドコモ※1 au ソフトバンク 次期iPhone
Android Android iPhone 5 Android iPhone 5
FD-LTE 2.1GHz
(バンド1)
○※2 × ○?
1.8GHz
(バンド3)
2013年秋
開始予定
× ○※3 ○?
1.5GHz
(バンド11)
×
1.5GHz
(バンド21)
○(東名阪以外)
800Hz
(バンド18)
×
800Hz
(バンド19)
TD-LTE 2.5GHz
(UQが2013年10月に
サービス開始予定)
○※4 ×

「○」は利用できる周波数。「×」はキャリアでは提供されているが、端末側が対応していない周波数。「―」はそもそもそのキャリアでは提供されていない周波数。
※1:ドコモのXiスマホは発売時期によって対応周波数が異なる。
※2:2013年夏モデルから2.1GHzに対応。
※3:イー・モバイルのネットワークを利用。
※4:WCPのネットワークを利用。

アスキースマホ総研の妄想

・auの800MHz帯のLTEへの対応に期待
・TD-LTEに対応するとauとソフトバンクの競争激化
・ドコモからiPhoneは……正直よくわからない

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