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Appleに対するSamsung優位が鮮明に――2013Q2のスマホ市場

2013年07月30日 08時30分更新

文● 末岡洋子

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 AppleとSamsungの2大メーカーの争いが続いているスマートフォン市場だが、ここにきてSamsung優位が鮮明になりつつあるようだ。7月25日に2社の調査会社から発表された最新の報告書によると、第2四半期(4~6月期)にSamsungは過去最高の出荷台数を記録したのに対し、Appleのシェアは過去最低レベルにとどまっている。

前年同期と比べてもiPhoneのシェアは3%下がる

 米Strategy Analyticsと米IDCの2社がそれぞれ7月25日に第2四半期の世界携帯電話市場の報告書を発表した。スマートフォンのみを調査したStrategy Analyticsによると、同期の出荷台数は2億2960万台、前年同期から46.7%増加となり、四半期ベースでは過去最高を記録した。

 出荷台数ベースでのベンダーシェアは、トップがSamsung、2位がApple。Samsungは前年同期比の56%増となる7600万台を出荷し、シェアは前年同期の31.1%から2ポイント増の33.1%に達した。7600万台という四半期の出荷台数は最高記録となる。

 一方のAppleは伸び悩み、出荷台数は前年同期20%増の3120万台にとどまった。成長率は市場全体(47%増)の半分以下。出荷台数も同様にSamsungの半分以下である。シェアは前年同期の16.6%から13.6%に縮小している。13.6%という数字はAppleにとって最低レベルという。

 3位はLGで、出荷台数は前年同期の580万台から倍以上の1210万台に増やした。これを反映して、シェアも前年同期比の5.3%から12.1%と大きく躍進した。4位は中国のZTEでシェアは5%、5位は4.8%でやはり中国のHuawei Technologies。Huaweiは前年同期は3位で、LGとZTEに追い越される形となる。

Samsung、LG、Lenovo、ZTEと
中韓勢がシェアを伸ばしている

 IDCが発表したスマートフォンにおけるベンダーシェアは、1位Samsung(30.4%)、2位Apple(13.1%)、3位LG(5.1%)と、トップ3の順位はStrategy Analyticsと同じだが、4位はLenovo(4.7%)、5位ZTE(4.2%)となっている。

 出荷台数の伸びが目覚ましいのはLenovo(前年同期比130.6%増)、LG(前年同期比108.6%増)で、Samsungは43.9%増、Appleは20%増となった。20%というAppleの年間成長率は、この4年間で過去最低から2番目に低い数字にとどまったという。

 Strategy AnalyticsはSamsung好調の背景について、4月に出荷を開始したフラッグシップの「GALAXY S4」が中国をはじめ世界市場で高需要に支えられていることを挙げている。IDCではGALAXY S4に加え、前世代の「GALAXY S III」についても、価格が下がったことなどが後押しし、いまだに好調であると記している。

 対するAppleは、Strategy Analyticsは「iPhoneのポートフォリオは振るわず、Appleは(画面サイズが)3型のAndroidと5型のAndroidの挟み撃ちにあうリスクがある」と厳しい分析を示した。IDCは、次世代のiPhone登場を期待した買い控えも要因に加えた。

 もっとも、iPhone 5の発売から半年以上が経ち、その間にはSamsungやHTCなど数々のフラッグシップ機種が登場したにも関わらず、第2四半期に3120万台も売り上げたのは、“感動的だ”とも評価している。

スマートフォンからの利益でも
SamsungはAppleを上回る!?

 なお、Strategy Analyticsによると、第2四半期の携帯電話(スマートフォンとフィーチャーフォンを含む)の営業利益額でSamsungは52億ドルとなり、47億ドルのAppleを上回った。同社の統計では、Appleは2009年第3四半期から営業利益でトップメーカーの座を維持していた。

 Samsungは7月26日に第2四半期(4~6月期)の決算発表を行っており、売上げは57兆ウォン(約5兆円)、純利益は7兆8000億ウォン(約6900億円)、営業利益は前年同期比47%増の9兆5300億ウォン(約8400億円)と発表している。

 IDCでは「市場のチャンスは、ハイエンドからローエンドまであらゆるレベルに残されている」とする。急速に進んでいる低価格セグメントについては、大画面化のトレンド度ともに、フラッグシップ端末でこれまでより低い価格帯で存在感を出すことなどを予想している。

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