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Chromecastのライバルはスマホユーザーの「ボケ」!?

2013年07月31日 07時00分更新

伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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Chromecastはすでに米国では発売されており、日本での発売も期待されている

 さまざまなプラットホームを支配してきたグーグルにとって「テレビ」は鬼門だ。過去に二度、テレビ向けデバイスを発売して失敗している。現地24日に発表した「Chromecast」は、テレビのHDMI端子に付けてウェブサイトの動画コンテンツを視聴できるデバイス。35ドル(約3500円)という低価格だ。グーグルは自社サービスとの接触時間をテレビというスクリーンを通じても増やし、スマートフォン(スマホ)とタブレット、PCを加えた4スクリーンを制覇したいのだろう。

 それに対して日本企業も、グーグルの過去の失敗をただ見ていたわけではない。

 日経BPは、テレビとスマホ、ソーシャルメディアを融合させたテレビ番組を表彰する「ソーシャルテレビ・アワード2013」を発表した。NHKと日本テレビによる共同番組「TV60 NHK×日テレ60番勝負」が大賞を受賞。同番組は、視聴者が「面白い」と思った瞬間にデータ放送またはスマホから「イィ」ボタンを押し、その伸びのグラフをリアルタイムで表示、お茶の間の盛り上がりを可視化した点が評価された。
 テレビとスマホを連動させた番組はすでに数多く制作されており、「王様のブランチ」(TBSテレビ)では番組で紹介した音楽や書籍、生活雑貨などを専用サイトで購入できるサービスを始めている。「天才! 志村どうぶつ園」(日本テレビ)は、放送中のデータ画面にスマホをかざすと、スマホの画面でCGの動物が動きまわるアプリを配信。スマホとテレビの2スクリーンを独占するのがテレビ局の狙いだ。

 ロッテはチューイングガムがテーマの動画を集めた専門サイト「クレイジーガム放送局」を立ち上げた。10年以上伸び悩んでいるガム市場を活性化させるための話題作りだ。サイトは主に3つの動画コーナーと「キカク室」と呼ばれるコミュニティーサイトから成り立つ。キカク室では新しい味を開発するためにアンケートを実施し、選ばれた味は試作品を作って抽選100名にプレゼント。ウェブサイトの接触時間からガムの購入へつなげるだけでなく、マーケティング効果も期待できるサービスだ。

「ボケて」は2012年にスマホ向けのアプリをリリースしてから爆発的にユーザー数が広まった

 また「ボケて」は、テーマ画像にひと言(ボケ)を加えて投稿し合うアプリで、ダウンロード数は150万件を突破。運営のオモロキは「お笑い文化のプラットホームを目指す」と意気込んでいる。人気のボケは星マークで評価され、SNSを通じて友人と共有できる。ちょっとした空き時間に楽しめるだけでなく、笑点や大喜利のようなテレビ番組に参加している感覚が得られる。

 常に新たなイノベーションを提供してきたグーグルだが、Chromecastが成功するかどうかはまだ分からない。日本ではドコモの「SmartTV dstick」、TSUTAYAの「TSUTAYA Stick」なども販売されており、Chromecastの優位性は価格にしかない。前述した2端末も発展途上とはいえ、常に大きな期待を抱かれるグーグル製品としては、Chromecastの革新性が価格だけでは少々物足りないと感じてしまう。


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