Retinaディスプレーじゃないけど問題ない
ディスプレーのきめ細かさを表す1インチあたりのピクセル数は215ppiで、iPadの264ppiには届かない。実際にiPadと見比べてみたが、ウェブや画像などを閲覧する限り、ppiの違いが目視で確認できるほどではない。また、IPS液晶は明るく、上下左右の視野角が約170度と広い。かなり斜めから覗き込んでも画面がしっかり見える。ディスプレーは決して大きくないが、家族や仲間とタブレットを囲み、違和感なく盛り上がれるのは重要である。
ブラウザーの高速スクロールが超快適!
カメラの起動から画面の縦横切り替えまで、さまざまな動作がキビキビとしていて快適そのもの。とくに感動したのが標準搭載「ブラウザ」の「高速スクロール」機能。ブラウザの「設定」→「高度な設定」→「高速スクロール」にチェックしておくと、ブラウザーの右端や下部ボタン(下部のボタンはズームインした場合のみ表示される)で、縦長のブログや掲示板などでも片手で見たい場所にすばやく移動できる。
なお、この高速スクロールはChromeなど外部ブラウザーでは機能しない。高速スクロールがしたければ標準搭載ブラウザーを使おう。
バッテリーの持ちはトップクラス
本連載恒例のバッテリーベンチで連続駆動時間を計測してみたところ、5時間46分という好結果が出た。
バッテリーベンチの計測条件
Wi-Fi接続でフル充電からYouTube HD動画を連続再生し、バッテリーが切れるまでの時間を計測。画面輝度は最大で常時点灯。音量は最小でスピーカーを使用。Wi-Fi/Bluetooth/GPS/アカウント同期はオン。省電力モードオフ。
参考値として独自指標「タブレットの燃費」を算出し、iPadなどスペックの異なる機種と比較してみたところ、MeMO Pad HD 7の燃費は競合機種の2倍以上もよいことが分かった。また、実使用時もバッテリーの減り具合は緩やかで、本体の異常な発熱も見られない。これならバッテリーの補給を心配せずに外出先で安心して利用できそうだ。
なお、タブレットの燃費は連続駆動時間(秒)/バッテリー容量(mAh)で算出した。
各タブレットの連続駆動時間とバッテリー容量、燃費
■MeMO Pad HD 7
連続駆動時間:5時間46分
バッテリー容量:4050mAh
燃費:約5.13
■iPad(第3世代)
連続駆動時間:6時間26分
バッテリー容量:1万1666mAh
燃費:約1.99
■LifeTouch L
連続駆動時間:5時間20分
バッテリー容量:7400mAh
燃費:約2.59
ステレオスピーカーの音はいいが……
背面のステレオスピーカーと独自の音響技術「ASUS SonicMaster」、さらに今鳴っている音をいつでもワンタッチで最適な音質に変更できるアプリ「AudioWizard」を搭載。おかげで、自分で取り込んだ音楽からYouTube動画の音声まで、さまざまな音をクリアな音質で聴ける。
実際にiPadやiPhoneのモノラルスピーカーで同じ音楽を聴き比べてみたが、MeMO Pad HD 7は高音域のシャリシャリ感がなく、長時間聴いても耳が疲れなかった。
残念なのはスピーカーが正面ではなく、背面にある点。しかも左右別々ではなく、1ヵ所にまとまっているのでいまひとつ臨場感に欠ける。また、付属の卓上スタンドはあくまでも簡易的なもの。背面スピーカーから出る音を正面に反響させるような気の利いた機能はない。このあたり、もうひと工夫欲しかったと言わざるをえない。
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