ハイエンドGPU SLI構成とSSD RAID 0の贅沢仕様!

GTX780MもSSDもデュアルな史上最強ノート「NEXTGEAR-NOTEi1100PA1-SP」

文●石井英男

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ノートPC向けCPUの中で最速のCore i7-4930MXを搭載

超弩級ゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTEi1100PA1-SP」

 NEXTGEAR-NOTEi1100シリーズは、17.3型フルHD液晶を搭載した大型ゲーミングノートであり、NVIDIAの最新GPU「GeForce GTX780M」を2基搭載し、SLI構成を実現していることが最大のウリだ。ゲーミングPCにとって、CPU性能と並んで重要になるのがグラフィックス性能だが、GeForce GTX780Mを2基搭載したNEXTGEAR-NOTEi1100シリーズは、まさにゲーミングノートの最高峰といえる。

 NEXTGEAR-NOTEi1100シリーズは、搭載するCPUやメモリ容量、ストレージなどの違いによって、いくつかのモデルが用意されているが、今回試用したi1100PA1-SPは、その中でも最上位に位置するスペシャルモデルだ。

 本体のサイズは幅419×奥行き293×高さ39.3~49.7mmで、重量は約4.4kg。かなりの重量級だが、そもそも持ち運んで使うためのマシンではないので、弱点というわけではない。CPUとしては、開発コードネームHaswellこと第4世代Core iプロセッサーの「Core i7-4930MX」を搭載する。

 Core i7-4930MXは、ノートPC向け第4世代Core iプロセッサーの中で最上位に位置する製品であり、クアッドコアCPUであることはもちろん、基本動作周波数が3GHzと非常に高い。さらに自動オーバークロック機能のTurboBoostテクノロジーを搭載しているため、動作周波数は最大3.9GHzまで向上する。ちなみに、CPUの型番の末尾の「X」は、このCPUがエクストリーム・エディションと呼ばれる特別なハイエンドモデルであることを示している。

 GPUとして、NVIDIAのGeForce GTX780Mを2基搭載していることも特筆できる。GeForce GTX780Mは、NVIDIAのモバイルPC向けGPUの中でも最上位に位置する製品であり、SP数は1536基と、デスクトップPC向けGPUのハイエンド製品に匹敵する。1基でも高性能なGPUだが、i1100PA1-SPでは、2基搭載したSLI構成を採用。SP数は合計で3072基にもなる。ビデオメモリは、TX780M1基あたり4GB搭載しており、合計8GBとなる。

 メモリ容量も32GBと大容量であり、複数のアプリケーションを同時に動かしてもスワップなどが生じず、非常に快適だ。最高峰ゲーミングノートの名に恥じない高いスペックだ。

256GB SSDを2基搭載し、RAID 0を構築

 i1100PA1-SPは、ストレージへのこだわりも、一般的なノートPCとは一線を画している。mSATA接続の256GB SSDを2基搭載し、RAID 0(ストライピング)を構築しており、高速な512GB SSDとして利用できる。さらに、1TBのHDDも搭載しているため、合計ストレージ容量は1.5TBとなる。Windows 8のシステムはRAID 0のSSDにインストールされており、起動も非常に高速だ。光学ドライブとしては、BDドライブ(BDXL対応)を搭載しており、映画などのBlu-rayタイトルも楽しめる。

 OSは、Windows 8が標準だが、Windows 8 Proへのアップグレード構成も選択できる。

i1100PA1-SPのデバイスマネージャーを開いたところ。GeForce GTX780Mが2基搭載されていることや、SSDがRAID 0ボリュームとして認識されていることがわかる

目に優しいノングレア液晶を採用

 i1100PA1-SPの液晶は17.3型と大型であり、解像度は1920×1080ドットのフルHDである。このクラスの製品ではフルHD解像度が主流になってきたが、一般的な15.6型液晶と比べてドットピッチが広いため、文字が大きく表示されて見やすく、動画やゲームもより迫力のある画面で楽しめる。また、液晶表面の仕上げが、よくあるグレア(光沢)ではなく、ノングレア(つや消し)になっていることも評価できる。ノングレア液晶は、外光の映り込みを抑えられるため、目への負担が少なく、長い時間続けてゲームをプレイすることの多い人にもお勧めだ。液晶上部には、200万画素Webカメラが搭載されており、ビデオチャットなどに利用できる。

 キーボードはテンキーを含む全105キーで、最近多いアイソレーションタイプではなく、従来のタイプのキーボードだ。キーボード左右の余白が大きく、テンキーも備えているため、キーピッチは約17mmと17.3型液晶ノートとしてはやや狭いが、一般的な日本人の手の大きさなら、これくらいのキーピッチのほうがむしろ使いやすい。また、ゲームでよく使われるWASDキーに上下左右の矢印が印字されているのも、ゲーミングノートならではだ。キーボードにはバックライトが搭載されており、暗いところでも快適にタイピングできるだけでなく、専用ユーティリティによって発光色の変更が可能だ。左、中央、右の3つのセクションごとに色を変えることや、波打つような点滅を指定することなど、さまざまなカスタマイズが行なえることも面白い。

 ポインティングデバイスとしては、タッチパットが採用されている。Ultrabookなどで一般的なタッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプだが、パッドのサイズが大きく、表面に適度な凹凸があるため、操作感は良好だ。

キーボードはテンキー付きの全105キーで、キーピッチは約17mm、キーストロークは約1.5mmである。ゲームでよく使われるWASDのキーに上下左右の矢印が印字されていることも面白い

キーボードにはバックライトが搭載されており、ユーティリティによって発光色の変更が可能だ

マウスコンピューター初のThunderbolt対応

 i1100PA1-SPは、インターフェイスも非常に充実しており、HDMI出力、Mini DisplayPort、USB 3.0×4、USB 2.0/eSATA兼用などを搭載するほか、SDメモリカードやメモリスティックなどに対応したマルチカードリーダーも用意されている。さらに、Mini DisplayPortは、Thunderboltと兼用になっている。Thunderboltは、1レーンあたりUSB 3.0の2倍の転送速度(実際は2レーンあるので合計4倍)と給電能力(USB 3.0は4.5Wだが、Thunderboltは10W)を実現した次世代インターフェイス規格であり、今後の普及が期待されている。

 マウスコンピューターのPCで、Thunderboltに対応したのは本製品が初めてだという。国内の大手メーカーでも、Thunderbolt対応ノートを出しているところは少なく、マウスコンピューターの先進性がよくわかる。USB 3.0のうち1つは、本体の電源がオフでも常時給電されるようになっており、スマートフォンやデジカメの充電に便利だ。ワイヤレス機能としては、IEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth V4.0+LEをサポートしている。

 サウンドにもこだわっていることも魅力だ。キーボード奥にステレオスピーカーを搭載するほか、底面に重低音再生用のサブウーファーが用意されており、ゲームやBD再生などで、大迫力のサウンドを楽しめる。さらに、パームレスト右側にスライド式指紋センサーが搭載されており、指紋認証によるログオンなどが行なえることも評価できる。指紋認証でロックをかけておけば、席を外した際に、データなどを他人に覗き見られる心配がなくなる。

 バッテリーは15.12V、5900mAhという仕様で、駆動時間は最大約2.66時間である。バッテリー駆動時間は長くはないが、基本的に据え置きで使うマシンなので特に弱点とはいえないだろう。クアッドコアCPU+SLI構成なので、消費電力も大きく、ACアダプターの容量は330Wと、デスクトップPC並だ。ACアダプターのサイズはかなり大きいが、こちらも特に問題はない。

本体背面には、HDMI出力やUSB 3.0×2が用意されている

本体左側面には、有線LANやマルチカードリーダー、ライン入力、S/PDIF、マイク入力、ヘッドホン出力が用意されている。なお、本体右側面には、USB 3.0×2(うち1つは常時給電)やUSB 2.0/eSATA兼用、Mini DisplayPort/Thunderbolt兼用が用意されている

ACアダプターの出力は19.5V、16.9Aで、330Wの大容量を実現。その分、サイズは大きく、重いが、据え置きで使うマシンなので問題はない

(次ページ、「ノートとは思えないパフォーマンスの高さに驚愕」に続く)