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Apple Geeks ― 第120回

「iTunes Radio」は音楽を変えるのか?

2013年07月12日 21時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

 日本レコード協会の発表によれば、我が国の音楽市場は米国に次ぐ世界第2位の規模だそう。2012年の米国との売上の差はわずか60万ドル、その後円安に振れたことを差し引いても市場規模は同格といっていい。そのような“音楽大国”である日本に対し、新興音楽サービスが期待を寄せていないとは考えにくい。

 WWDC 2013の基調講演で発表された「iTunes Radio」。iTunes Matchの利用者は例外だが(広告非表示)、基本的には広告収入を軸とした音楽ストリーミングサービスであり、その点では先行するSpotifyPandoraと比較対象になりうる。日本でのサービス開始時期について明言はなかったが、米国では今秋のサービスインが予定されている。

今秋登場予定の「iTunes Radio」。広告は表示されるものの、無償/聴き放題のサービスが利用できるようになる

 iTunes Radioが他の音楽ストリーミングサービスと決定的に異なるのは「導線」だ。iTunes Matchというオンラインストアを擁するAppleは、iTunes Radioの画面に楽曲を購入するためのボタンを配置した。この「気に入った曲をすぐ購入」できる仕組みは、サービス提供側のAppleよりコンテンツホルダー側にとって魅力に映ることだろう。

iTunes Radioはストリーミングで聴くだけでなく、すぐ購入できるよう再生画面にボタンが配置されている

 Wall Street Journalの記事によれば、AppleがiTunes Radioのコンテンツホルダー(インディーズレーベル)に支払う使用料は1曲あたり0.13セント。さらに曲を流した回数に応じて広告収入の15%を支払うのだという。Pandoraは1曲あたり0.12セントとのことで、どちらへ提供するにしても曲単価は日本円換算で十数銭とかなり低い。しかし、そこに曲のダウンロード販売分が乗ってくると話は変わる。コンテンツホルダー側の取り分が7割ともいわれるiTunes Storeへの「導線」を持つiTunes Radioのほうが、利益率は格段に高くなるはずだ。

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