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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” ― 第312回

OM-Dで撮る古い街並みに溶け込む猫たち

2013年07月12日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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お堂で地元の女子高生とくつろいでたシロチャハチワレ猫。毛繕い中。背景のお堂が黒いので、シロ系の猫がキリッと写る(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)
お堂で地元の女子高生とくつろいでたシロチャハチワレ猫。毛繕い中。背景のお堂が黒いので、シロ系の猫がキリッと写る(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)

 前回に続いて長野県で出会った猫の話。

 「金具屋」で温泉&猫、だけが目的だったわけじゃなく、そもそも、小布施町の「岩松院」というお寺に葛飾北斎が描いた天井画を見たかったのである。

 小布施は古い町なので史跡もあるわけで、古い町なら猫もいるはずで、ググってみると、いくつか猫写真がヒットする。

 だがしかし、金具屋のように旅館で世話してるから行けば会える、というのは例外。もちろん相手は猫だからよほど人なつこくない限り、普段はどこに隠れてるかわからないのが普通で、あらかじめ猫に会えそうな場所に目星をつけておいても、空振りに終わることはしょっちゅうある。

 運が良ければ会えるよね、というくらいの気楽さで行くのが一番いい。

 で、我々は運が良かったのである。

 駅でレンタサイクルを借りてぶらぶらと走りつつ、猫がいるというお堂に立ち寄ってみると、お堂に腰掛けてる地元の高校生らしき女子がおりまして、よく見ると猫をなでているではないか。

 そっと近寄り、一緒に猫を撮らせてもらう(冒頭写真)。

 平日の真っ昼間に女子高生がひとりでお堂で猫をなでてるというシチュエーションについては深く考えないことにして、一緒に撮影。ちなみにその女子高生が写ってる写真はないので、そこに期待はしないでください。

 彼女に尋ねると全部で3匹いるという。

ん? という顔で裏からやってきたトラ系の猫。彼の視線の先には、お堂で毛繕いしてるシロチャハチワレがおります(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)
ん? という顔で裏からやってきたトラ系の猫。彼の視線の先には、お堂で毛繕いしてるシロチャハチワレがおります(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)

 他の猫は、と思ったら、とことこと歩いてくるキジトラ猫を発見。「ん? 今日は見たことないヤツがいるぞ」という顔で近づいてきた。

 私を警戒しながらぐるっと大回りしてお堂に上ると、先にいた茶色ハチワレと合流。毛繕いしてるところに合流したもんだから、ついでに自分も毛繕ってもらえるというおいしさ。

 私もおいしいシーンが撮れておいしい思いをさせていただきました。

さっきまで自分を毛繕いしてたのに、別の猫がそこに現われるとついでにそっちもやってくれるのよね。舐めてるのが自分じゃないってことわかってるんだろうか。舐める瞬間を撮るためにシャッタースピードは速めで連写(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)
さっきまで自分を毛繕いしてたのに、別の猫がそこに現われるとついでにそっちもやってくれるのよね。舐めてるのが自分じゃないってことわかってるんだろうか。舐める瞬間を撮るためにシャッタースピードは速めで連写(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)

 やがて2匹はとことこと歩いて裏にある石塔に向かったので後を追ってみると、3匹目が石塔の裏に隠れて昼寝してたのでありました。

 各辺を上手に利用してるのは何よりなのだけど、卒塔婆で爪を研ぐのはちょっとどうかと思うぞ。

お墓っぽいけどお墓ではないらしい。明治時代のもの。兄弟だと思うけど、奥にいる方は人が苦手のようででてきませんでした。耳の白い玉がついているのはピアス。地域猫の場合、去勢した印としてつけられる。ちなみにピアスはとれやすいので、今は耳の角を切り欠くことも多い(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)
お墓っぽいけどお墓ではないらしい。明治時代のもの。兄弟だと思うけど、奥にいる方は人が苦手のようででてきませんでした。耳の白い玉がついているのはピアス。地域猫の場合、去勢した印としてつけられる。ちなみにピアスはとれやすいので、今は耳の角を切り欠くことも多い(2013年6月 オリンパス OM-D E-M5)

 この数時間後、我々は運が良かったなあと思い知らされるのだった。夕方近く、岩松院で北斎を楽しんだあとに再度このお堂を訪れてみると、3匹ともいないのだ。

 どこかに隠れてるのかまったく出てこない。時間帯的には真っ昼間だったさっきより、午後遅い今の方がいそうなものなのに、気配すらない。

 そう、これが普通なのだ。地域猫だからといっていつもそこにいるわけじゃない。普通は人目に付かない場所にいるものなのだ。

 なのに、お昼過ぎという一番出会いづらい時間帯に出会えたのは、たまたま地元の猫と仲のよい女子が猫をなでてまったりしてくれてたから。

 どなたか存じませんが、この場を借りて感謝いたします。

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