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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第126回

volcaシリーズ企画開発者インタビュー第3弾

売上に影響しない――楽器に無駄なコストをかける理由とは

2013年07月06日 12時00分更新

文● 四本淑三

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keysは演奏性重視

―― bassとの機能上の違いというとほかに何がありますか?

坂巻 あとはディレイが付いていることですね。bassでも欲しくなる時はあるんですが、やっぱりディレイが欲しいのはコードに対してじゃないか。それでキャラ分けをしっかりしていこうと。

―― このディレイもアナログっぽくハイ落ちした設定ですよね?

高橋 そうです。わざと。それで、もちろん「TIME」を回すとピッチが変わります。

―― なるほどテープエコーの回転数を変えるみたいに。このVCFの構成はbassと一緒なんですよね?

高橋 そうですね。基本回路は同じですけど、レゾナンスの感じも変えてあります。

終始演奏しながらのインタビューとなった

坂巻 モノだとめっちゃ歪んでいいんです。1音しか鳴らないんで。でもkeysは3音鳴るじゃないですか。だからそんなに歪んで欲しくないというか。

―― 和音が濁っちゃいますもんね。で、keysはVCOの波形は変えられないんですか?

坂巻 オシレーターの波形を明示的に選ぶことはできないけれど、ボイシングのモードによって波形を変えているんです。

高橋 基本はSAW(ノコギリ波)ですけど、Ring系は矩形波です。矩形波の方がいい感じの金属音が出るんで。でもやっぱ和音はSAWかなって。bassはステップでシーケンスのエディットはできるし、オシレーター1個ずつ波形の選択もできるし、設定操作も盛り沢山な感じです。そういう面はkeysには少ないんですが、リアルタイムに弾いてシーケンスを作ることや、こういう波形の切替えも瞬時にひとつのツマミでできるようにする、そういうコンセプトでまとめてあります。

―― つまり演奏性を優先したと?

高橋 そうです。

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