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日本マイクロソフトのFY14はソリューションにも注力

Surface Proは?Oracleとの関係は?樋口社長が語る

2013年07月03日 10時30分更新

文● 渡邉利和

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7月2日、日本マイクロソフトは恒例となっている経営方針発表を行なった。米本社が既に明らかにしている戦略である「デバイス&サービス カンパニーへの変革」を軸に、国内独自の要素として従来から重視していた「ソリューション」への取り組みも継続する。

デバイスとサービス(クラウド)への取り組み

 日本マイクロソフトの会計年度は7月から6月となっており、この数年新年度が始まるタイミングで新年度の経営方針の説明を行なうのが通例となっている。今回は、6月末で終了した2013年度(FY13)を振り返りつつ、7月1日から始まった同社の2014年度(FY14)の取り組みについて説明が行なわれた。

日本マイクロソフト 代表執行役 社長 樋口 泰行氏

 説明を行なった同社の代表執行役 社長の樋口 泰行氏は、まず社長就任からの3年間(FY09~FY11)で組織の壁を壊し、組織改革を断行、会社一丸で事業運営ができるように下上で中長期視点で人市場への戦略とコミットを打ち出せるよう、土台作りを行なったと振り返った。続くFY12~FY13の2年は「日本マイクロソフト本格始動」の時期と位置づけられ、25周年をきっかけとした社名変更や品川への本社オフィス移転が行なわれた。結果としてみれば、樋口氏の就任から5年で組織変革を成し遂げ、新体制を確立した形になっている。

 こうした流れを踏まえ、FY14の新たな方針として掲げられたのが、「デバイス&サービス カンパニーへの変革」だ。このメッセージ自体は米本社でも同じ内容を打ち出しており、いわば全社共通の取り組みという位置づけだ。

デバイス&サービス カンパニーへの変革

 デバイスに関しては、国内ではWindows Phoneの展開こそあまりはかばかしくないものの、6月7日にはついにSurface Proの販売も開始され、タブレット分野での積極攻勢が始まったところだ。従来のPC市場とタブレットの関係について樋口氏は、現状が「タブレットの需要に喰われる形でコンシューマ市場向けのPCの出荷はやや減少した」とするが、一方で、Surface Proを踏まえて「今後PCとタブレットは明確に区別できなくなる」との見解も語っている。現状のiOSやAndroidのタブレットに関しては「できることが少ない」とし、ユーザーもそれに気づき始めているとの認識である。今後Surfaceが既存のiOS/Androidタブレットを巻き返し、市場の主流となっていくという想定だろう。

 こうした動向を踏まえ、Surfaceに関しても従来の量販店等によるコンシューマ向け販売に加え、新たに法人向けに展開を開始することが発表された。提供開始時期は現時点では第1四半期(7月~9月)とされている。

 サービスに関しては、PaaS/IaaSをカバーするWindows Azureの強化や、SaaSに対応するOffice 365の取り組みなどが今後さらに強化される。Windows Azureに関しては既に日本リージョンが解説され、さらに首都圏および関西圏の2つのサブリージョン構成となることが明らかにされているが、予定通りに作業が進行すればこの運用開始はFY14中になる見通しだという。

 このほか、国内でのクラウド事業の推進のための日本独自組織として7月1日付けでクラウド事業推進室が設立されたことも公表された。米国では6月24日付けでOracleとのクラウド事業に関する提携の発表が行なわれているが、これについて国内でどのような体制で取り組むかなどの詳細については米本社からまだ具体的な指示はない状況だとしつつ、サポートやマーケティング体制の一元化など、ユーザーに不便を与えないような対応は当然に求められることになるだろうとの見通しが明かされた。

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