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新興モバイルOSの本命? Firefoxスマホ、スペインで発売

2013年07月02日 21時00分更新

文● 末岡洋子

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 Mozillaはスペインの通信事業者Telefonica、端末メーカーZTEとともに、モバイルOS「Firefox OS」を採用した商用スマートフォン「ZTE Open」が、7月2日よりTelefonicaのモバイルブランドであるMovistarより発売されると発表した。価格は69ユーロ(約9000円)。30ユーロ分のプリペイドクレジットが含まれる。

ZTE Open

 MozillaとTelefonicaは2012年に提携を発表しており、今年2月のMobile World Congressでは他のキャリアともにFirefoxスマートフォンを今年夏にローンチする計画を明かしていた(関連記事)。

 ZTE OpenもMWCで発表済みで、3.5型HVGA液晶、3.2メガピクセルカメラ、256MBのRAM、512MBのストレージを持つ。商用のFirefox OS搭載スマートフォンとしては一番乗りで店頭に並ぶことになる。なお、開発者向けのFirefox OSスマートフォンは4月にスペインのGeeksphoneから「Keon」と「Peak」の2種が発売されており、69ユーロというMovistarのZTE Openの価格(4GBのmicroSDカード付き)は、Keonの91ユーロ、Peakの149ユーロを大きく下回ることになる。

 Firefox OSはHTML5などオープンなWeb標準を土台としたモバイルOSで、通話はもちろんブラウザ、メール、地図などの基本的なアプリケーションを備える。

 たとえばホーム画面の右方向へのスワイプにより検索機能にアクセスし、アーティストの名前を入力すると、楽曲の購入、音楽ビデオコンテンツ、コンサートチケットの購入など、ユーザーの利用に合わせた検索結果を出すという。

 アプリストア「Firefox Marketplace」では、Twitter、Facebookなどのソーシャルアプリ、天気アプリAccuWeather、音楽アプリSoundCloudなどの人気アプリやEAのゲームなどが揃っており、ダウンロードせずに利用するワンタイムユースとダウンロード対応アプリの2種類があるという。

UIの画面

 Telefonicaはスペインに続き、コロンビアやベネズエラなど自社がモバイル事業を展開する国でもFirefox OSスマートフォンをローンチする予定だ。端末はZTE Openを皮切りに、年内に複数機種を投入する予定という。

 MozillaはDeutsche Telekomも間もなくFirefox OSスマートフォンを発売すると発表しており、Alcatel One Touch(TCL Communication)の「One Touch Fire」がリリースされる見込みだ。

 MozillaとFirefox OSで提携しているメーカーはこれらのほか、Huawei Technologies、LG、ソニーモバイル、Foxconn(Hon Hai Precision Industry)がある。

 MWCではFirefox OSのほか、Jolla、Canonical(「Ubuntu」開発元)、Tizen Associationなどが新しいモバイルOS開発を明らかにした。これらのうち、商用製品が登場するのはFirefox OSが初めてであり、その動向が注目される(Jollaは年内発売開始で現在予約受付中、関連記事)。


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