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コミケの救世主になりそうな富士通のスゴイ技術

2013年07月03日 07時00分更新

文● 寺田祐子(Terada Yuko)/アスキークラウド編集部

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夏コミ

夏コミの季節が今年もやってきた Some rights reserved by TAKA@P.P.R.S

「コミケ初日に夏が始まり、最終日に夏が終わる」――筆者は約15年にわたりコミケに通いつめているが、花火や夏フェスといった 「リア充」イベントに一切目もくれず、ひたすら同人誌を買い漁るのが夏の恒例行事。「コミックマーケット」(コミケ)の来場者数は増加傾向にあり、2012年の夏コミでは3日間で過去最高タイ記録の約56万人が来場。最近では外国人の姿も目立つようになった。

 極端に人が集まると、途端に携帯電話回線のつながりが悪くなるもの。近年のコミケではWi-Fiルーターを背負った「Wi-Fi忍者」が会場を歩き回ったり、通信移動車を投入したりと携帯キャリア各社の涙ぐましい努力の結果、だいぶ改善されたが、それ以前は通話はおろかメールの送受信もままならなかった。

 電波がつながりにくい状況を解消するソリューションは多数あるが、富士通が1日に販売した無線装置「BroadOne GX4000シリーズ」は、3Gbpsという大容量データを3kmほど先まで直接伝送できるとして、関心を集めている。

 BroadOne GX4000

「BroadOne GX4000シリーズ」の設置イメージ

 幅25cm×高さ25cm×幅6.4cm、重さ約4.7kgと小型軽量で可搬性に優れ、消費電力も30Wと少ない。有線コードを蓄電池につなげば、屋外での利用も可能だ。ギガクラスのデータを伝送できるソリューションはこれまでになく、同社は「これからの時期、夏フェスや花火などのイベントで活用いただける」と話す。災害時復旧にも利用が見込まれており、STNetは災害における被災伝送路の代替手段としてすでに導入したという。2機で1対となっており、数百万円程度を予定する。

 もしコミケでこのソリューションが導入されたら、より会場でのコミュニケーションがスムーズになること間違いなし。なんと幸せなことか。誰か本気で導入を検討してくれないか、と夢想する今日この頃である。


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