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Hadoopはもちろん、Autonomy、Verticaまで統合

ビッグデータに必要なものが全部入り!HP、「HAVEn」発表

2013年06月27日 08時30分更新

文● 谷崎朋子

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6月26日、日本ヒューレット・パッカード(HP)はビッグデータ解析プラットフォーム「HAVEn」を発表した。同社の構造化/非構造化データおよびセキュリティ製品群、Hadoopやさまざまなアプリケーションをより密に連携させることで、統合されたビッグデータ解析基盤を提供する。

ビッグデータ関連要素をより有機的に融合させる基盤登場

 HAVEnは、HPのビッグデータ関連製品であるAutonomy IDOL、Vertica、HP ArcSightを代表とするエンタープライズセキュリティ製品を主軸に、HadoopやHDFSなどのオープンアーキテクチャや「n」数のアプリケーションを統合したビッグデータ解析プラットフォームだ。名称は、「H」adoop、「A」utonomy IDOL、「V」ertica、「E」nterprise Security、「n」数のアプリケーションのそれぞれ頭文字を組み合わせている。

HAVEnの全体像

 ビッグデータ解析には新たなプラットフォームが必要と話す、ヒューレット・パッカード カンパニー Vertica事業本部 バイスプレジデント&ゼネラルマネージャ コリン・マホニー氏は、業界最高のソリューションは単体でも有用だが、それぞれを1つのエンジンとして連携させ、総合的な解析環境を構築できればさらなる効果を発揮できると述べる。

ヒューレット・パッカード カンパニー Vertica事業本部 バイスプレジデント&ゼネラルマネージャ コリン・マホニー氏

 TwitterやFacebookの投稿情報、検索エンジンの検索結果などの人に関する非構造化/構造化データを解析するAutonomy IDOLやVerticaも、そうした構成要素の1つとなる。

 Autonomyは400以上のコネクタであらゆるデータを収集、500以上の機能で把握、分類する。一方のVerticaは、こうしたデータを解析処理するソフトウェアで、そのスピードは他社製品が1日かがりで解析するところを5分で完了するレベルという。いずれもハードウェア提供ではないため、安価なIAサーバで導入してから段階的に拡張することも可能。ビッグデータ製品は大企業のものとイメージされがちだが、Verticaは中堅企業にとっての導入のハードルを低く抑える。

第1弾「HP Operations Analytics」が投入

 こうした製品群が連携するHAVEnの解析ソリューション第1弾が、HP Operations Analyticsだ。上記製品、センサーデータを含むあらゆるビッグデータをログ管理するHP ArcSight Logger、HadoopやVerticaの管理ツールであるHP Business Service Management、サードパーティ製品を統合的に管理、分析するソリューションとなる。「膨大なビッグデータから過去や現在をリアルタイム解析し、未来を予測できる同ソリューションは、ビッグデータに隠された知見や洞察を可視化し、ビジネスでの有効活用を促進する」(マホニー氏)。

HP Operations Analytics

 国内でHAVEnを牽引する要素について、日本HP 常務執行役員 HPソフトウェア事業統括 中川いち朗氏は、やはりVerticaではないかと推測する。「Verticaは、通信事業者や金融企業などの導入が進んでおり、特にビッグデータを有効活用したいというビジネス部門からの要望で検討に入ることが多い。その流れで、セキュリティログと社内データとの相関関係で対策強化したい、非構造化データと組み合わせて詳細に分析したいといったニーズが出てくると思う」(中川氏)。

 今後は、コンポーネント間の連携をより強化し、コンサルティングを含むサポートも積極的に展開する予定だ。

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