上は先週末の土曜日の上海と日曜日の深センの電脳街&ケータイ街の写真だ。
元気のある深セン「華強北」エリアと元気のない上海の「徐家Hui」エリアの市場内の写真だが、随分と異なる。深センの経済の善し悪しに関わらず広東省の電脳街は活気があり、一方で最も活気のない電脳街のひとつが上海のそれである。
上海で元気なのはApple Storeくらいだ。どちらも極端ではあるが、地方都市へデジタル製品を流す深センは地方都市のある姿を見せているし、上海はまた大都市の行く末を暗示している。
調査会社IHSによれば、2012年の中国向けのPC出荷台数は6900万台で米国向けの6600万台を上回る(関連サイト)という。またデスクトップPCからノートPCへの移行が中国でも見られているが、それでもデスクトップPCとノートPCの比率は同じくらいだという。
一方で検索最大手の「百度」の調査結果によれば、2013年第1四半期における特定ワードに対する検索数は前年同期比に比べ、「ノートPC(筆記本)」が48%減、「ネットブック(上網本)」が58%減、「タブレットPC(平板電脳)」が19.7%減という数字も出ている。また「携帯電話(手机)」に関しても前年同期比8%減となっている。
以前はレノボを筆頭に、中国メーカーが群雄割拠していたころのPCはどれも値段にのみ強みがあり、デザインにこだわりがなく、金太郎アメ状態だった。
しかし現在は生き残ったレノボがデザインを重視し、ソニーや東芝も値段を落とし、女性ウケを狙ったピンク色のPCをリリースするなど現地向けのアピールを頑張っている。
とはいえ空港でも地下鉄内でも以前はノートPCユーザーをかなり見たが、今はスマートフォンに移行し、ノートPCを持ち運ぶ人はほとんど見なくなってしまった。
だがユーザーがPCを手放したとは考えづらい。中古PC市場はないに等しく、また中国のネットサービスをPCレスで利用するのは非常に難しいからだ。
最近JETROからリリースされた調査レポート「中国華東地域主要7都市の消費者ライフスタイル調査」(2013年3月)においても、高所得な上海周辺地域でも家にシンプルで安いデスクトップPCが置かれている様子が写真でわかる。
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