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認証サービスで共同通信デジタルと技術提携

シマンテック、ネット選挙で候補者なりすましサイトを防ぐ

2013年06月26日 06時00分更新

文● 谷崎朋子

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6月25日、シマンテックは共同通信デジタルの新規オープンされるネット選挙向け情報サイト「THE OFFICIALS」への「ノートンセキュアドシール」の提供を発表した。ネット選挙解禁で懸念される候補者のなりすましサイト対策に認証技術を提供する。

SNSアカウントなどURL単位で認証

 シマンテックとクロス・マーケティングが実施した「ネット選挙解禁におけるネットセキュリティに関する意識調査」によると、候補者を知る際に参考とする情報源について、インターネット(45.2%)はテレビ(72.4%)、新聞(59.0%)に次ぐ重要な情報源であることが判明した。しかし、検索時の上位結果が必ずしも正規サイトとは限らない上に、WebサイトやSNS、電子メール、ネット広告などは改ざんやなりすましのリスクがある。

 「2007年、Googleで『厚生労働省』と検索したとき、トップ表示されたのはフィッシングサイトだったという事件があった」と述べたシマンテック SSL製品本部 SSLプロダクトマーケティング部 上席部長 安達徹也氏は、特にネット選挙では候補者を偽り、極端な政治的主張をするなどして候補者を貶める事案も発生すると懸念。有権者の公正な判断を奪うリスクは極力排除されるべきとし、正規サイトの証明は重要と強調した。

シマンテック SSL製品本部 SSLプロダクトマーケティング部 上席部長 安達徹也氏

 こうした背景を受けて、共同通信デジタルではシマンテックのEV SSL証明書の認証技術を利用した認証サービスを7月5日から提供開始。同日には、同サービスを採用した参議院選挙向けの議員・候補者Webサイト「THE OFFICIALS」(https://the-officials.net/)をオープンする。

 同サービスで認証されたURLページは、アドレスバーの「https://」が緑色になり、発行先に候補者が所属する政党名が表示される。

表示イメージ(7月5日より公開開始)。「https://」が緑色に表示され、「Kyodo News Digital Co, Ltd.」に政党名が入る

 さらに、ページ内にはノートンセキュアドシールと独自シールを組み合わせた「マイページトラストマーク」が掲載され、目で見て実存性を確認できる。安達氏は、「ノートンセキュアドシールはネットユーザーの約8割が認知しているとの調査結果もある」とし、有権者にとっての安心材料になることへの期待を明かす。

認証済みページにはマイページトラストマークを掲載

 シマンテックのEV SSL証明書と今回の認証サービスの異なる点は、前者がドメイン認証であるのに対し、後者はURL単位の認証であることだ。つまり、後者はTwitterアカウントやFacebookページなど、ドメインを保有しないサービスでもEV SSLの認証技術を適用できる。

 SNSで公式認証されたアカウントとして、Twitterの認証済みアカウントがあるが、これについて共同通信デジタル 代表取締役専務 伊地知晋一氏は「多くの人に検索されるユーザーに対してTwitterが独自に実施しているもの。今回の新サービスは、第三者機関が個人の申請に従ってURLを認証する」と指摘する。

共同通信デジタル 代表取締役専務 伊地知晋一氏

 サービスへの申請手順は、THE OFFICIALSの場合、Webフォームなどから候補者が名前や登録URLを申請すると、シマンテックがURLの実存性などを、共同通信社グループが独自所有の連絡先名簿で申請者の実存性を確認、THE OFFICIALSへの登録やマイページトラストマークの配布などを行なう。「THE OFFICIALSは、なりすまし事件が発生したとき、注意喚起に加えて正規URLの案内先など、認証済みURLのデータベースとして活用することも可能」(伊地知氏)。

URL認証の展開イメージ

 今後、シマンテックではサイト認証技術や緑色のアドレスバーの優位性、電子証明書を利用したメールへの電子署名付与などについて啓蒙活動を実施。共同通信デジタルでは、同社の情報データベースを活かして政治家や芸能人、企業などへサービス拡大を目指す。

 本サービスの料金は、登録URL数によって変動する可能性あり。詳細は、7月5日に発表予定となっている。

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