フィンランドの電気通信機器大手ノキア(Nokia)を巡り、ワールドワイドな争奪戦が繰り広げられている。
英メディアのフィナンシャル・タイムズ(FT:FINANSIAL TIMES)は現地時間18日、中国のファーウェイ・テクノロジーズ(Huawei Technologies:華為技術)によるノキア買収の可能性を報じた。しかしその翌日、米メディアのウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ:THE WALL STREET JOURNAL)の報道では、米マイクロソフトもノキアに触手を伸ばしていたというのだ。
過去に、マイクロソフトのOSをノキアのスマホへ独占的に搭載する契約を結んで以来、両社は提携関係にあった。そんな両社の関係がさらに発展し、マイクロソフトがノキアのモバイル端末事業を買収する交渉が進められていたわけだが、同報道では結局、買収価格が折り合わず、破断に終わったと結論づけている。
ファーウェイの動きについては、同社のコンシューマー向けビジネス部門を統括するリチャード・ユー(Richard Yu)氏からノキア買収を示唆する発言があったとフィナンシャル・タイムズが報じた。ところがロイターの報道によると、ファーウェイ副社長のビル・プラマー(Bill Plummer)氏がノキア買収をきっぱりと否定したという。
世界の携帯電話・スマホ市場は米アップルと韓国サムスン電子が二分しているが、その間に割って入る第3極を目指すうえではノキアの存在が欠かせない――ファーウェイとマイクロソフトの動きからはそんな業界の思惑がうかがえる。