注目はバッテリー駆動時間か
もっとも、こうした仕組みはバッテリー消費を大きくする難点があるため、動作にあたってなんらかのルールや制限が設定される可能性が高いと考える。iOS 7について説明を担当したソフトウェアエンジニアリング担当SVPのクレイグ・フェデリギ(Craig Federighi)氏は、例としてSNSなど定期的にアップデートをチェックするアプリについて、一定タイミングでのアップデートをバックグラウンドで行なえるようにすることを挙げた。このほか、「Wi-Fiや3Gの電波の強い場所でのみアップデートを実施」「プッシュ配信でのアプリ動作」など、何らかのトリガーを条件にアプリが一定動作を繰り返せる仕組みになると考えていいようだ。
また、マルチタスクにおけるアプリ切り替え画面も以前のバージョンから変化している。詳細は画面サンプルを見ていただくとして、その動作はWindows Phoneなどライバル製品のそれに近い。アプリアイコンではなく、サムネイルで画面内容を確認できるものだ。
なお、マルチタスクとは異なるが、App Storeアプリのアップデートについて、バックグラウンドでの自動アップデート機能をiOS 7以降搭載することになるという。これにより、アプリにアップデートがあった場合に一定タイミングで自動アップデートがかかることになる。
ウェブブラウザーであるSafariにも変更が加えられている。フルスクリーンモードが存在すること、タブ切り替えの動作が前述の新マルチタスクのような形式ではなく、3D表示で複数のタブ画面を同時に確認しつつ切り替えられるようになり、一覧性が向上した。
このほか顕著なのが、「Smart Search Field」「iCloud Keychain」というふたつの新機能だ。OS X向けの最新のSafariではアドレスバーと検索窓が統合され、ひとつの入力フィールドでタイプ内容に応じて検索クエリーかURLかを自動判断でして適時処理するスタイルへと変更されているが、これがiOS向けSafariでも採用された形だ。
また、OS X Mavericksで導入されるiCloud KeychainにiOS 7もサポートし、iCloud経由でAutofillの内容を異なるデバイス間で共有できるようになる。詳細はMavericks側の解説を参照してほしいが、文字入力の煩雑なiOS 7でこそ大きな意味を持つ機能だと考える。特に解析難易度の高いパスワードを自動生成する機能を組み合わせることで、大きな効果を発揮するだろう。