広々フルHDデスクトップでながら作業も快適
とはいえ、実際にdynabook V713/W1Jへ1本化するためには、ノートPC並みに快適に使えることが大前提。それには、ソフトウェアキーボードによる文字入力のしやすさが重要である。そもそも何度もタイプミスをして、そのたびに直すなんてことを繰り返していると、ストレスがたまり、仕事のやる気もなくなってしまう。
タブレットPCの場合、やる気がなければ仕事を中断してブラウジングをするという解決策が残されているからよいのだが。いや、それは解決策とはいわないか(笑)。
閑話休題。とにかく、ソフトウェアキーボードで素早く確実にタイプできるかどうかがモチベーションや集中力に影響する大きな問題なのだが、ここで重要な意味を持つのが、一般的なタブレットPCよりもひと回り大きな、11.6型ワイドというサイズだ。
ボディの横幅が大きく、ソフトウェアキーボードのキーピッチはフルキーボード並みに確保されている。ゆったりと余裕を持って打てるのだ。また、入力の認識精度も高い印象で、タッチデバイスによくありがちな“押したと思ったはずのキーの隣にあるキーが入力されてしまった”というミスも起こりにくい。これまで筆者は携帯性と画面の見やすさを重視するならタブレットPCは10.1インチがベストの選択肢だと勝手に思い込んでいたが、わずかなサイズアップでこれほど文字入力がしやすくなるのであれば、11.6インチもかなり“アリ”だ。
しかも、ディスプレーの解像度は1920×1080ドットを実現しており、複数のウィンドウを並べてもデスクトップの見通しは上々だ。
一方で、マシンの処理能力も低くはない。今回試用した製品は先行試作版だが、試しにPCMark 7でベンチマークテストを計測してみた。結果は以下の通り。クラムシェルタイプのUltrabookと同等のパフォーマンスを実減している。
また、今回のレビューを書くにあたっては、ブラウザーと同時にOneNote、Word、Excel、加えてAdobe Readerを同時に立ち上げ、さらにiTunesで音楽を聞きながら作業してみた。携帯デバイスにしては少々ヘビーな条件で使用したにもかかわらず、処理が重いと感じることはなかった。
バッテリーの駆動時間は、カタログ上では約7時間とある。実際に筆者が持ち歩いて講義を聞いてメモを取るという使い方をしたところ、6時間は余裕で持った。もちろん、常時ぶっ続けでブラウジングをしたり、動画を鑑賞したりといった使い方をする場合はもっと早く電池が切れるだろうが、普通の使い方をする分には5~6時間は持つと考えてよいだろう。
なお、複数のアプリを動かすと、マシンの騒音は若干気になるレベルになった。特に寝室のような静かな場所では、ファンノイズが耳につく。とはいえ、あくまで騒音をほとんど発しないiOSやAndroidのタブレットと比べて、という話である。比較対象をノートPCにした場合、特別に音が大きいと感じることはない。つまり、タブレットにしては大きな音がなってるなぁという、新鮮(?)な違和感があったということである。
(次ページ、「気配りが行き届いたデジタルペンの操作性」に続く)