アップルは、開発者イベント「WWDC 2013」初日の基調講演において、Mac用次期OS「OS X Mavericks」を今秋リリースすると発表した。開発者向け版developer previewは本日より配布する。
OS X Mavericksは、タブ表示機能を備えたFinder、タグ付け機能、「iCloud Keychain」をはじめ、新たに採用。タブ表示機能は、ウェブブラウザーなどと同様に、単一のウインドウに複数のフォルダーなどを表示できるようにしたもの。タグ機能は、あらゆるファイルに任意のキーワードを設定し、情報の整理や検索など利用できる機能。Finder、ソフト、iCloud上のどこからでも設定可能だ。
iCloud Keychainは、SNSなどのID/パスワード情報、クレジットカード情報をiCloudを介してひとまとめに管理できるというもの。パスワード生成機能をサポートするほか、データは常にAES 256ビット暗号化方式により保護される。複雑なパスワードを生成/設定しておき、iOS/OS X上で自動入力するといったことが行なえる。
OSのコア技術部分については、「Timer Coalescing」によって電力消費を改善。CPUに対して発せられているプロセスをバラバラのタイミングで実行するのではなく、OSでまとめて管理することでCPUのアイドル時間を増やして電力消費を抑制し、バッテリー駆動時間の向上につなげるというものだ。複数ソフト利用時に他のウィンドウに隠れたソフトの動作を抑制しバッテリー駆動時間をかせぐ「App Nap」も導入される。「Compressed Memory」は、システムのメモリー使用量が上昇し始めると、使われていないデータを自動的に圧縮し、必要になった場合に即時に圧縮状態から元に戻すという仕組みだ。
Safariの新バージョンも搭載される。JavaScriptのパフォーマンスを強化したほか、新たに「Sidebar」が追加され、ブックマーク、リーディングリストの利便性が向上した。Sidebarの「Shared Links」機能では、Twitter、LinkedInからの情報を検索/表示できる。
また、マルチディスプレー対応が強化され、ディスプレーごとにメニューバーとDockを表示可能となった。ウインドウ表示/フルスクリーン表示、Mission Control表示もディスプレーごとに行なえる。
このほか、「iBooks Store」サービスで購入した電子書籍をMac上でも閲覧可能となっている。「Maps」も統合された。