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アニメファンならぜひ行きたい!聖地巡礼ツアー 第19回

氷菓のロケ地とともに日本の歴史を紐解く旅

2013年06月09日 15時00分更新

文● 中村信博 撮影●エンドス

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 午後1時。残念ながら雨は上がらず、生きびな行列は境内を囲む回廊でのお披露目となってしまった。行列は回廊を3往復する予定だが、すでに会場はぎっしりと観覧者で埋め尽くされている。見る場所を探すだけでも大変だ……!

境内では「氷菓」×「生きびな祭」コラボイベントが開催。千反田える役の声優・佐藤聡美さんの手作りおにぎり配布&握手会にはこんな長蛇の列が

出演声優のサインが入った、通称「氷菓米」の袋が展示。その他にもコラボをイメージさせるものが境内にはいっぱいだ

舞台のテーブルの上に、「氷菓」劇中に登場したサボテンの鉢が置かれていた。この頃から雨脚が強くなり、みんな神楽殿や軒下で雨宿り

 やがて太鼓の音が響き、そろそろと生きびな行列が拝殿から姿を現した。赤鬼青鬼を先頭に、稚児、三人官女、右大臣左大臣、そして主役である内裏と雛。平安の殿上人の装束に身を包んだ女性たちが、回廊をしずしずと列をなして歩いていく。

先頭を行くのは、赤鬼・青鬼。後ろに囃子を奏でる楽人を従えて、邪気をはらう竹杖を手に回廊を進んでいく

続いて、かわいらしいお稚児さんたちがちょこちょこと

どの子もちょっと緊張した面持ちだ

隋臣の右大臣と左大臣。それぞれ弓矢と太刀を佩いて、衛仕として内裏を守る。雛人形ではそれぞれ若者と老人だが、生きびな祭ではどちらも若い未婚女性が演じる

現在の雛人形は三人官女が普通だが、昔は五人官女、七人官女もあったという。生きびな祭では古式の五人官女を採っていた

「氷菓」では入須先輩が演じていた、お内裏様。劇中の入須先輩の内裏も凛々しかったが、本物もまたすらりとして美しい

そして、劇中で千反田が演じたお雛様。裾をお付きの女性に支えられながら、一歩一歩、しずしずと回廊を進んでいく

 午後3時。行列が拝殿の中に入り、つめかけた観覧客は三々五々散っていく。惜しむらくは街を歩く行列の姿を見てみたかったけれど、それは来年以降の楽しみに取っておこう。このあとイベントは行列のお披露目、餅撒きと続き、筆者は会場を後にして高山の宿へと向かった。

回廊を3周して穢れを引き受けた生きびな達は、そのまま本殿に入って禊ぎを行なう。こうして穢れを清め、人々の安寧を祈るのだ。その光景を、たくさんの人々が固唾を呑んで見守っている

いっぽう、回廊の外では佐藤聡美さんのトークイベントが開催中。ものすごい人の数だ!

禊ぎを終えた生きびな達がステージへ。今年、生きびなとなった女性たちが一人ひとり挨拶

最後は餅撒き。餅は神に捧げられるハレの食べ物とされ、それを撒くことで災いを払うと共に、神と同じものを食べることで福を得るという意味がある

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