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出張のホテルからも録画番組やライブ放送が楽しめる

どこでもTV番組が観られる「ネットワーク視聴」機器を比較!

2013年06月10日 14時00分更新

文● コヤマタカヒロ

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リビングレコーダーと接続して使うネットワーク視聴機器の先駆者

Slingbox 350は前モデルと比べ大幅にコンパクト化。さらに画質もアップした。

2010年発売のSlingbox PRO HD。2万9800円と非常に高価だった。

 自宅のテレビ番組をネットワーク経由で視聴できる機器として草分け的存在なのが、イーフロンティアのSlingboxだ。前モデルの「Slingbox PRO HD」は2010年に発売。そして今年後継モデルとなるSlingbox 350が発売された。

 Slingbox 350は、テレビチューナーやHDDを搭載していない。接続したレコーダーなどの映像をネットワーク経由で配信するのがその役割だ。レコーダーとの接続は、D端子もしくは、コンポジット端子で行う。D端子で接続すれば、アナログ接続ではあるがフルHD(1920×1080ドット)出力が可能だ。

 しかし、ここで注意がある。D端子をはじめとするアナログ端子では今年を限りとしてHD出力が禁止されることになっている。このため、最新のレコーダーではD端子を搭載しないモデルが増えているのだ。そして、コンポジット端子での接続の場合SD画質での出力となるので注意。

セットアップは非常に簡単だが視聴アプリはちょっと高価

 Slingbox 350のセットアップはPCのブラウザから行う。SlingboxのWebページにアクセスし、IDを登録。その後、同じネットワーク内のSlingbox 350を自動検索して、登録できる仕組み。基本的な設定はウィザード形式で、画面に表示される質問に答えていくだけと簡単だ。

Slingboxの接続設定。ブラウザ上で画面の指示にしたがっていくだけだ。

接続するレコーダーを設定することで画面上にリモコンが表示できる。

 接続設定時に注意したいのは、レコーダーの出力設定だ。通常テレビとレコーダーはHDMIケーブルで接続することが多い。このため、レコーダーによってはD端子への映像出力をしない設定になっている場合があるのだ。Slingbox 350の設定時に画面に映像が現れない場合は、レコーダーの出力設定をチェックしてみよう。

 Slingbox 350が便利なのは国内で発売されている主要レコーダーが登録されており、選択するだけでリモコンが使えるようになること。著者自宅リビングにはパナソニックの「DMR-BWT2100」(2010年モデル)が設置されているが、設定メニューで機種名を選ぶだけで、普段使っているのとほぼ同じデザインのリモコンを画面上に表示して操作することができた。

ブラウザ上でストリーミング視聴が可能。PC、Macでの視聴なら無料なのがうれしい。

iPadでの視聴画面。ここでも画面リモコンで操作ができた。

 PCでの視聴はWebブラウザで行う仕組み。SlingboxのWebサイトでログインした上で、「Watch」を選択するとプラグインのインストールがスタート。ブラウザを再起動するとテレビ画面が視聴できるようになる。

 回線が安定している環境では画質は非常によく、インターネット経由であることを忘れてしまうレベルだった。また、画面は全画面表示やポップアッププレイヤーでの視聴も可能だ。

 Slingbox 350の映像は、PCだけでなくスマートフォン、タブレットでも視聴できる。ただし、それぞれ専用のアプリが必要となる。iOS向けは「SlingPlayer Mobile」で1300円で購入可能。Android向けは、タブレット用(SlingPlayer for Tablets)とスマートフォン用(SlingPlayer for Phones)が別になっており、それぞれ1099円となっている。

 iPadなどタブレットでの表示ではPCブラウザと同じようにデザインされたリモコンが表示でき、自宅で操作するのと変わらない感覚で利用できる。ただし、スマートフォン向けでは画面サイズの関係か、画面上にボタンなどがオーバーレイ表示される仕組みとなっていた。

 屋外での視聴経験としては3Gでは遅延、画質劣化ともにそれなりに発生するが番組内容は把握できる印象。映画やドラマなどを高画質で見るには厳しいが、バラエティ番組などは楽しめた。

屋外視聴時は回線状況に応じて画質を自動調整してくれる。

 Slingbox 350は同様の製品の中では価格が高いカテゴリーに入る。ただしその分、設定は簡単でPC、タブレット、スマートフォンと機器を選ばずに利用できるという利点がある。接続しているレコーダーの機能がフルに使えるのも非常に便利だった。

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