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家電不況でも売れ筋を作る量販店の強さ

2013年05月30日 07時00分更新

文● 澁野義一/アスキークラウド編集部

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大型テレビは数少ない「売れ筋」

 すべての家電が売れない、というわけではない。

 冒頭で紹介した日本電機工業会のレポートによると、空気清浄機の出荷額は前年度比56.5%増の51億500万円だった。

 これはおそらく、PM2.5の脅威に対する需要と思われる。

 また、意外と好調なのが大型テレビだ。

 調査会社のBCNによると、今年4月の薄型テレビの販売台数は前年同月比32%も減少。販売金額も22%のマイナスという。

 しかし50インチ以上の大型サイズに限れば好調。GfK Japanの調査によると、2012年のテレビ販売台数における50インチ以上の構成比は、前年度比2%増の5%だ。

 4Kテレビの存在も、大型テレビ販売の追い風になる。

 各テレビメーカーは4Kに対応した大型テレビを次々と投入しているが、価格は50万前後で、対応コンテンツも少ない。あくまで富裕層向けだ。

今年5月28日に発表された、東芝の4Kテレビ「レグザ Z8X」。価格帯は50万円前後〜168万円だ


 それに比べて大型テレビは、サイズが50インチにもかかわらず10万円を切る製品も登場している。単なる大きな画面のテレビが欲しい人にとっては割安感がある。

 4Kがユーザーに浸透するまでが、大型テレビの売り時。家電量販店にしてみれば、まさに「いつ売るか? 今でしょ!」状態というわけだ。

 稼ぎ頭だった薄型テレビや、白物家電の販売が不調でも、空気清浄機や大型テレビなど、その時々で売れ筋になり得る商材は何かしらある。

チャンスを見つけて売り切る姿勢にこそ、日本の家電量販店の本当の強さがある。

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