クールな排熱構造で長時間起動もOK
「Endeavor NY10S」のキーボードは狭いながらも入力はしやすく、コンバーチブルタイプであることを考えるとオフィスへの導入も考えやすい製品だ。そうなると気になるのはキーボード面の発熱だ。長時間起動していると、飽和もあって全体的にぬるくなるか、キーボードが部分的に熱くなってしまう。前者はどんなノートPCも抱えている問題であり、内部容量の少なさを考えると当分解決は難しい。後者は各メーカーの腕の見せところでもあり、排気スリットの場所を考えたり、ヒートパイプの配置で対処したりしている。
そもそもコンバーチブルタイプは、ノートPC状態になると変形構造部分だけキーボードが狭くものが多い。デメリットではあるが、メリットでもある。変形構造の近くに熱源を配置することで、キーボード面の発熱を極端に抑えるのだ。「Endeavor NY10S」ももちろん、そのメリットを活かしており、Prime95を5時間回し続けてもキーボード全体の温度は、約29℃(室温22℃)を維持していた。そのため、始業から終業+残業があっても、普段使いの負荷であれば、まずキーボード面の発熱が気になることはないだろう。
一方、もっとも温度が高くなったのは、本体後部にある排気スリット周辺ではなく、底面だった。下記写真でも場所を示しているが、一番温度が高いところで約45度だ(室温22度)。これは、触れると「熱いっ」と感じるくらいだ。またその周辺温度も39度前後と高めになっている。ノートPC状態では触れることはないのだが、気になる温度ではあるため、ノートPC的な運用が多いのであれば、底面と接地面に隙間が生まれるように足場などを用意して、少し底面の風通しをよくしておこう。
さて底面が極端に発熱するということは、タブレット時の持ち方次第では不快な温度を味わうことになる。これは、画面の回転機能があるため、発熱する部分が上側になるようにしておけば防げる。横画面時は熱源に指が近づくこともないので、あまり気にする必要はない。
オフィスではメイン
家庭ではサブに
「Endeavor NY10S」のスペックは、どこでもメインPCとして活用できるほど。特定作業に集中が多いオフィスであれば、メインPCとしても考えやすい。そのときは使用者のスキルに応じて、マウスの導入も必要になるが、ショートカットを駆使して、都合のよいところだけタッチパネルというスタイルであれば、そのままでよい。
逆に家庭用として考えるとエンタメ性能はそこそこなので、個室用や寝室用にどうだろう。そのときはタブレットモードも活用できるため、何かと便利な存在になってくれるだろう。
主なスペック | |
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製品名 | Endeavor Sシリーズ NY10S |
CPU | Core i7-3537U(2.0GHz) ※タブレット時は800.0MHz |
チップセット | HM77 Express |
グラフィックス | Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) |
メモリー | 8GB PC3-12800 DDR3 |
ストレージ | 124GB SSD |
ディスプレー | 11.6型(1920×1080ドット) |
インターフェース | USB 3.0端子×2、mini HDMI端子×1、ヘッドホン端子×1 |
光学式ドライブ | - |
通信機能 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11b/g/n)、Bluetooth 4.0+EDR |
バッテリー駆動時間 | 約6時間 |
寸法/重量 | 約幅303×奥行197×高さ19.8mm/約1.19kg |
OS | Windows 8 64bit |
価格 | 11万9980円 |