このページの本文へ

世界初を謳う企業向け802.11ac APも投入!

アルバ、NACやMDM、アプリケーション管理まで統合

2013年05月27日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

5月24日、アルバネットワークスはネットワークアクセスやアプリケーション、デバイスなどの管理を統合する「Aruba WorkSpace」を発表。あわせて世界初を謳う企業向けのIEEE802.11ac対応のアクセスポイント「Aruba AP-220シリーズ」を発表した。

統合認証基盤「ClearPass」を機能拡張

 アルバネットワークスはエンタープライズ向け無線LANソリューションを展開するベンダー。近年はモバイルデバイスのセキュアで効率的な利用を実現すべく、「MOVE(MObile Virtual Enterprise)」というアーキテクチャを展開。MOVEでは、ユーザーやクライアントなどの条件にあわせた“コンテキストベース”のアクセス管理やアプリケーションやデバイス管理を実現。ユーザーに対して最適なネットワーク環境を提供する。

 発表会に登壇したジェラート・フェスタ氏は、「従来の企業において、ワークスペースはロケーションにひもづいていた。その中心にあったのは、固定型のEthernetスイッチだった」と振り返る。しかし、無線LANやモバイルブロードバンドが登場し、ロケーションやVLANに依存しないで済むようになった。さらに昨今はPC以外のモバイルデバイスが急速に増大。BYODのような利用形態が増えつつある中で、フェスタ氏は「セキュリティやインフラ自体、人によって異なるアクセス管理にも手を加えていく必要がある」と述べた。

米アルバネットワークス インダストリーソリューション ディレクター ジェラート・フェスタ氏

 従来、アルバでは統合型認証基盤である「ClearPass」を用いて、デバイスとユーザーを特定し、セキュリティを確保してきた。今回発表された「Aruba WorkSpace」は、このClearPassと組み合わせることで、ネットワーク、デバイス、アプリケーションなどをまたいだ統合的な管理が行なえるという。

 ClearPass with WorkSpaceでは、クライアントに最適なワイヤレス環境を提供するモビリティ管理だけでなく、NACと呼ばれるアクセス制御、モバイルデバイスを管理するMDM、そしてBYODに最適なMAM(Mobile Application Management)までを統合するシングルプラットフォームだ。

 ClearPass with WorkSpcaeでは、ユーザーがモバイルデバイスで認証を通過すると、自動的に企業ネットワークに接続され、アプリケーションごとのポリシーがプッシュ型で提供される。これにより、個人用と業務用のアプリケーションを完全に分離。また、アプリケーションの利用に関しても時間や場所、センサーで検知した速度、コンテンツなどさまざまなコンテキストをベースに制御することが可能になる。「たとえばジェイルブレイクされたデバイスがアクセスしたら企業アプリケーションをワイプしたり、工場に入ったら自動的にカメラや特定のアプリケーションをオフにすることが可能になる」と実例を説明した。

デバイス、ネットワーク、アプリケーションまでを統合管理

1.3Gbpsを実現する802.11ac対応APが登場

 そして、もう1つのトピックは、世界初を謳う企業向けのIEEE802.11ac対応のAP「Aruba 220シリーズ」だ。

 Aruba 220シリーズは2.4/5GHzのデュアルラジオをサポートするAPで、3×3のMIMOにより、5GHz帯では最大1.3Gbpsの伝送が可能。2.4GHz帯においても、ブロードコムのクライアントとの組み合わせにより、600Mbpsというパフォーマンスを実現する。有線側には2つのギガビットポートを用意。電力供給はPoEに対応し、IEEE802.atではフル稼働、IEEE802.1afによる低消費電力稼働が可能になる。

IEEE802.11acに対応した企業向けAP「Aruba 220シリーズ」

 製品の差別化ポイントは、特許を取得した「ClientMatch」という技術だ。これはリアルタイムにRFを分析し、クライアントを信号品質の高いAPに接続させるというもの。近くに強い信号のAPがあるにもかかわらず、遠く離れても、細い帯域でAPをつかんでいる“スティッキークライアント”を解消し、全体のパフォーマンスを向上させるという。さらにUCアプリケーションであるMicrosoft Lyncの可視性を診断APIにより実現。音声やビデオをはじめとしたすべてのLyncフローをリアルタイムでモニタできるという。

 さらに先日の米Meridian買収についても言及された。米Meridianは屋内位置情報サービスを実現するベンダー。ビジター用のアプリなどを無線LANを用いた「屋内GPS」として利用し、経路探索や場所・個人情報に基づくターゲットの絞り込みなどが行なえるという。

■関連サイト

カテゴリートップへ