新商品や新サービス、そして起業したときの会社名など、ネーミング(名前付け)に苦労している人も多いと思います。「ユニクロ」「プリウス」「グーグル」「スターバックス」など、中長期的に人に覚えられやすく好印象な名前をつけるには、どうしたらいいのでしょうか。
会議が「頭の体操」になっている?
先日、「振り込め詐欺」の新名称「母さん助けて詐欺」が警視庁から発表されました。メディアでは「県内にはそぐわず」(中日新聞)「新名称は古い」(東スポWeb)など、あまり評判もよくはありません。Yahoo!の意識調査によると87.1%が「(新名称に)共感できない」12.9%が「共感できる」になっています(投票総数32,011 5月17日現在)。こうした「説明的すぎる」「情緒的すぎる」名称になるのは、関係者が多数いることが原因です。
このネーミングは公募ですので、ツイッターで寄せられた作品を62候補に絞り、東京の巣鴨で高齢者139人による支持で決定したといわれています。「発案者」「選別者」「投票者」など多くの人が関わるプロセスになっています。関係者は一生懸命に知恵を絞ったと想像しますが、ネーミングは「頭の体操」よりはヒラメキに近いと筆者は思っています。
ネーミングはプロの仕事なのか?
ネーミングは、それを職業にする人もいるほど、マーケティングの世界では重要に考えられています。マーケティングの専門誌『宣伝会議』によると、ネーミングは「コンセプト型」「ターゲット型」「素材型」「意味型」に分類できると解説されています。
○コンセプト型 例:みらいのカタチ(生命保険)、プリウス(ハイブリッド車)
○ターゲット型 例:ガリガリ君(アイスキャンディ)、ファミリーコンピュータ(ゲーム機)
○素材型 例:麦のごちそう(発泡酒)ソイッシュ(健康飲料)
○意味型 例:iPod(携帯音楽プレーヤー)、プレイステーション(ゲーム機)
企業におけるネーミングで最も大切な部分は、その名前が売り上げに影響することです。「サントリーエード」「あったまるこ」として販売されていた果汁飲料が、「なっちゃん」と商品名を新たにしたことで大ヒット商品になったのは記憶に新しいところです。そうした意味では、ネーミングはビジネスにおける重要な決定事項ともいえます。責任が取れる立場なら自分で決め、そうでないなら、社内の専門部署にまかせる、広告代理店など、ネーミングの専門家にアウトソーシングすることも可能です。
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