5月7日、米国で月間4600万人が閲覧するというニュース&ブログサイト「ザ・ハフィントン・ポスト日本語版」創刊の記者会見が行われた。
当日の朝には、日本語サイトにも、オープニングを飾る記事が次々と公開され、多くの話題を集めていた。記者会見の模様などは既報の通りだ。日本語版は朝日新聞社との合弁会社によって運営。編集長には「WIRED.jp」や「GREE ニュース」などを多くのネットメディアを経験する松浦茂樹氏が就任した。
海外ではすでにニューヨークタイムズクラスのメジャーメディアのひとつとなっているザ・ハフィントン・ポストだが、日本ではまだほとんど知られていないのが現状だ。そこで、今回は、記者会見で語られた内容、そしてウェブサイトから見えてくるもの、そして創業者でありザ・ハフィントン・ポスト・メディアグループプレジデント兼編集長アリアナ・ハフィントン氏、ザ・ハフィントン・ポスト・メディアグループCEOジミー・メイマン氏のインタビューをあわせて、ザ・ハフィントン・ポスト日本語版が何を目指しているのかを紐解こう。
ザ・ハフィントン・ポストはブロガーによるブログ記事、ニュース記事、そしてソーシャルコメントの3つから構成されている。一番の特徴となるのが「ソーシャルコメント」だ。
読者がコメントで参加できる、ソーシャルコメント
アップされた記事には誰でも自由にコメントを付けることができる。そのコメントはザ・ハフィントン・ポストのサイト上だけに付けることもできるし、TwitterやFacebookにマルチポスティングすることも可能だ。元の記事に対して投稿されたコメントに対して、新たなコメントがスレッド状に付き、議論が展開していく。それがザ・ハフィントン・ポストの「言論空間」の特徴だ。
海外版では、政治関連や事件報道、などのお堅いニュースから、有名人のゴシップまで幅広いジャンルの記事を取り扱っている。日本語版のスタートにおいては、米国版からの翻訳記事のほか、ジャーナリストの佐々木俊尚氏やメディアアクティビストの津田大介氏、ライブドア元社長の堀江貴文氏を始め、70人以上のブロガーが参加。さらに今後、一般ブロガーの投稿も募っていくとしている。
スタート時点では、比較的堅めの記事がアップされていた。このあたりは共同運営を行う朝日新聞社の意向もあるのかもしれない。ただし、ページビューのアップなどを考えると、海外版同様に芸能など比較的柔らかいニュースが、今後増える可能性もあるだろう。