内蔵GPUの評価に適した
「Cloud Gate」
次に紹介するのが2番目に重い「Cloud Gate」だ。1280×720ドットで3Dを描画している点は「Ice Storm」と共通。ただし描画命令はDirectX10相当で、ブルーム(眩しさ)や被写界深度といったGPUのシェーダーのパワーを使うような処理が多用されているため、それなりに重くなっている。
ただしDirectX11世代以降のGPU、特にミドルレンジ以上のGPUの評価用としてはまだ負荷が足りない。非力なCPU内蔵GPUを利用する環境、つまりノートPCや安価なエントリークラスのデスクトップPCの評価に使いたい。
ビデオカードの評価に最適な
「Fire Strike」
DirectX11世代のビデオカードを当際した、ゲームを視野にいれたPCの性能比較に最適なのが「Fire Strike」だ。このテストではようやく3Dが1920×1080ドットで描かれており、フルHDゲーミングを念頭に置いた設計になっている。
また、このテストのみGrahicsテスト2本とPhysicsテストの後にGPUとCPUを両方使うCombinedテストも実行される。そのためOC検証のためのストレステストとしても有効だ。
さらにAdvancedエディション以上では、画質ほぼ最高&2560×1440ドット相当で描かれる「Fire Strike Extreme」も利用できるが、こちらは現行システムではハイエンドGPUまたはマルチGPU環境用の超高負荷テストになっている。「Fire Strike」で何をチェックしているのかの解説は次回に譲ることにしよう。
結果を吟味する
3DMarkの各テストの結果はスコアという形で提示される。Basicエディションでは結果は公式サイトにアップされ、ブラウザで確認するしかないが、Advanced以上ではローカルでも参照可能だ。
ここで注目したいのは、Advanced以上ではCPUやGPUの温度変化もグラフ化されるということ。冷却システムのチェックだけなら、とりあえず「Fire Strike」をガンガン回しておけば高負荷時の温度が視覚化されるという訳だ。ただCPUやGPUの占有率は表示されないため、本格的にやるなら「HWiNFO64」のような専用のモニタリングツールを導入すべきだろう。
これで3DMark徹底解説の第1回は終了となる。次回はビデオカードの比較に適した「Fire Strike」でなにが行なわれているのか、代表的なビデオカードではどの程度の値が出るのかなどを取り上げることにしよう。
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