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総額200万円! 映像制作プロの業務用PC自作を手伝う

2013年05月05日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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GeForce GTX TITAN×4は
何に使うのか?

 岡田氏のワークフロー上にあるアプリケーションはいくつもあるが、Blackmagic Design DaVinci Resolveを使用する際に、GPUを酷使するという。Design DaVinci Resolveはリアルタイム処理が前提になっており、CUDAを利用しての演算が必要不可欠なため、「GeFroce GTX TITAN」を選んだというわけだ。

Design DaVinci Resolveの画面。データを読み込みつつ、再生しながら、リアルタイムに補正処理を行っていけるというもの。当然、CPUオンリーではリアルタイム処理は厳しい

 ほぼ同じスペックで「Quadro Tesla K20」があり、プロ用途を考えるとQuadroなのだが……。岡田氏としてはスペックシートを見るに問題なさそうという理由と、TITANを4枚見たかったという理由でこちらを選択したのだいう。もちろん、DaVinci Resolve以外にもCUDA対応するアプリケーションはあるため、そういったシーンでも処理時間を短くするために4枚というのも、必然的な構成だ。

本来予定になかったエクストリームタイム
TITANの4Way SLIで3DMARKを回す!

 そうこうしているうちに編集部からの支援パーツが届いた。取材中にSLIブリッジのために購入したGygabyte製マザー「GA-X79-UD3」が手元にあり、かつ目の前には「GeForce GTX TITAN」が4枚ある。であれば、4Way SLIをやらねばならない! 梱包を解き、さっそく組み立てを開始した。

 編集部から届いたパーツは次の通り。CPUはIntel「Core i7-3960X」、メモリー4GB×2、PLEXTOR製SSD「M5 Pro」の256GB。3DMARKを計測したいだけと言ったら、ほんとにさっぱりした支援パーツだった。

 また電源はAntec「Quattro 1200」(1200W)とPOWEREX「SD-660EPS」(500W)。なぜ電源が2つなのかというと、「GeForce GTX TITAN」1枚あたりの消費電力が最大250Wだからだ。システムには別途電源を用意しないと、起動はできてもベンチマークは完走できぬぞという配慮だろう。

Antec「Quattro 1200」。PCI Expressラインにパワーキャッシュを備え、最大電力が必要な際に予備電力を投入できる機能をもつ

POWEREX「SD-660EPS」。セミプラグイン形式で取り回しが楽な電源。今回はシステム用

2つの電源を使用するために購入してきたAINEXの電源検証用基板

CPUクーラーは「Core i7-3960X」に付属するインテル純正のオールインワン水冷だ

秋葉原にまな板を探しにいくも店頭在庫が発見できず、超強引なセットアップを開始。Antec「Quattro 1200」で「GeForce GTX TITAN」×4を支える作戦だ。岡田氏もノリノリであった

Antec「Quattro 1200」をブックエンド代わりにするだけでは不安なので、養生テープでさらに仮補強した

※編注:TITAN4枚のバラック組みは、テンションを把握していないとボードの根っこから折れるため、良い子は真似をしないでください。

3DMARKを走らせていたところ、やっぱり養生テープが溶け始めたので、箱をスペーサー代わりに挿入。編集部から見本になるような自作をしろと怒られそうな展開である

 さて、ベンチマーク結果の前に、消費電力をお伝えしよう。2系統から電源を取得した状態で、3DMARK中の消費電力は最大時で1300Wを確認した。また事前チェックでFurmarkをフルHDで回してみたところ、GeForce GTX TITAN×4に電源を供給していたAntec「Quattro 1200」のブレーカーがダウン。

 そのため、GeForce GTX TITAN×3とシステムの電源をAntec「Quattro 1200」に担当させ、POWEREX「SD-660EPS」は「GeForce GTX TITAN」×1を担当するよう変更した。これにより、Furmark(フルHD)の完走と3DMARK時に起きていた電源不足と思われる謎のカクツキの大半が解消された。

 では、3DMARKの結果だ。今回は取材先が映像スタジオだったこともあり、ベンチマークの様子を動画でお送りする。Fire Strike Extremeの部分のみだが、4way SLIの実力がよくわかるものだ。またSLIの使用状況もレイヤー表示してのものなので、どこで使用しているかもわかるはず。なお、ドライバーは314.22、PhysXの設定はCPUだ。

 Intensity Extreme経由で録画し、H.264にエンコードしたものを掲載している。序盤、カクツキがあるのは、電源が微妙に足りていないのか、CPUがボトルネックなのか判断できず。

Fire Strike Extremeの結果。なおIce StormとCloud Gateは、シングル時と劇的な違いがなかったため、ほとんど寝ていると判断して途中でベンチマークを終了している

バイオハザード6ベンチの結果。1セクション終盤の引きのカメラアングルでゾンビいっぱいでは28fpsまで低下したが、あとは総じて70fps以上を維持

Furmarkの結果。フルスクリーン、1920×1080ドットで計測。非常にヌメヌメしていて最高だった

実質4日間、充実した
自作PCライフを満喫

 ガチガチのプロ環境に耐えるハイエンド自作をチェックしてきた。チェックというよりは、自作日記の勢いだったが、映像に興味ある人にとってはなかなか楽しいソースの塊だったはずだ。趣味でやっているのであれば、今回のような構成にまでする必要はないが、やりたいことから見て減算でスペックを決めやすくなるだろう。

設置された自作マシン

 また、GeForce GTX TITAN×4での3DMARKを確認できたのもラッキーだった。マルチモニター環境を考えると、3way SLIで当分安心といったところだが、そろそろ自作PC界隈にも4K2Kモニターの足音は聞こえ始めている。もちろん、まだ少し先のことだが、いずれ来るであろう環境の事前チェックデータとして役立ててほしい。

作業スぺースに今回組み立てたGPUサーバーを設置した岡田氏。ドヤ顔を決めているが、このマシンで最初にやったのはTwitterだった

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