「LINE」(中国語名は「連我」)が中国App Storeの無料アプリランキングで1位になったと、中国の英字新聞「China Daily」が伝えた。
この話は日本でもいくつかのメディアが報じたこともあり、見聞きした話かもしれない。今回はこのニュースについて考えてみよう。
LINEの世界的人気に興味を持つ中国ユーザー
中国市場でのLINEは、「奇虎360」(Qihoo)というセキュリティーベンダーが2012年12月12日にサービスを開始した。日本だとLINEやLINE POPで遊ぶ人を電車の中や喫茶店などさまざまな場所で見かけるが、中国では日本のように見かけることはない。
検索サイトの「百度」の検索傾向をGoogleトレンド似の「百度指数」や予想検索などで調べてみれば、スタンプもLINE POPも人気であるとはいえず、無料コミュニケーションツールとして注目を浴びているようだ。
同種のコミュニケーションアプリは中国で数社からリリースされているが、最大勢力はLINEがリリースされる2011年6月からさらに5ヵ月早い2011年1月にサービスを開始した、騰訊(Tencent)の「微信」(Wechat)というアプリだ。
微信について騰訊は、同社がリリースする国民的チャットソフト「QQ」のユーザーにアピールしたため、現在ユーザー数は3億を抱えるまでに至った。ちなみに、LINEにこの件について質問したところ、「中国でランキングが上昇した理由はまだ分析中でわからない。また、中国内では微信が圧倒的で、まだまだブームと呼べるレベルではない」と、LINE自身も微信の勢力を認めている。
過去に中国に進出した日本のコンシューマー向けのIT企業・ITサービスを振り返ってみると、mixiや楽天が中国に進出したが主にPR不足で、ほとんどの中国人が認知しないままフェードアウトしている。
楽天(中国名は「楽酷天」)に関しては百度と提携し、リリース当初は百度でのPRはあったものの、その後のPRはほとんどなかったため、ユーザーが増えることはなかった。
中国におけるLINEのニュースをチェックしてみると、NHN時代に韓流アイドルがオフィシャルアカウントで情報発信というニュースが目立ち、(企業としての)LINE以降は世界的な人気というニュースが配信された。
百度指数を見る限り、LINEを検索する人はIT業に携わる人がかなり多く、これらのニュースで知ったことも相まって、「とりあえず使って見よう」とIT業に携わる利用者を増やしたように見える。
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