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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第22回

3時間じゃ足らない! 米西海岸の体験型科学館を見る

2013年04月28日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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体験のジャンルは人体、光学、自然、電気、生命の5つ

 展示されているジャンルは、人体の感覚、光や視覚、自然現象、電気、生命の5つに分かれます。

 例えば人体であれば、皮膚の温度に対する感覚を試したり、自分の顔の左右半分を合成してその違いを見つけたり、5種類の香りから同じものを探す嗅覚を試したり。装置によっては1人で試せるものもありますが、その多くは親子などのパートナーと一緒に体験するように作られている装置も少なくありません。

嗅覚を知る装置。10種類のボトルに入れられた香りの中から、同じものを見つける

科学の事件でおなじみの空気砲も大きな煙の固まりを作り出せて迫力がある

 また自然現象では、先ほどご紹介した霧や、竜巻を見ることができますが、竜巻発生器の中に入って風を感じられるというのは、なかなか珍しいチャンスと言えるでしょう。またサンフランシスコ周辺のベイエリアの自然のデータを収集・分析してビジュアライズする展示とプロジェクトも間近で見ることができます。

竜巻発生器は見るだけでなく、中に入って風を感じることができる

 筆者が長く時間を費やして、もっと長居したいと思ったのは電気のパートです。足でこいで発電機を回して電気を発生させて、白熱球や蛍光灯電球を光らせてみると、蛍光灯電球の消費電力がいかに少ないかを身をもってて体験することができます。

 また、砂鉄を使って磁場を立体的に観察したり、ハイブリッド自動車の回生エネルギーの原理を試してみたり、日頃の生活で身近に知っていながら可視化されていなかった物事や疑問に、目の前の装置が答えてくれる感覚は、身の回りの体験と科学の原理を結びつけるには十分であり、また大いに興味をかき立ててくれるのです。

ペダルで発電機を回し、ラジオや電球などに電気を送る。かなりの重労働だったが、白熱球と蛍光灯電球で、その消費電力の違いを身をもって体験できる

磁石と砂鉄によって、磁力線を可視化する展示。子供たちは大量の砂鉄で磁石の間に橋を作って遊んでいた

人間の感覚に関するコーナーでは、溺愛の装置だけでなく、パートナーと2人で体験する展示もある。こちらは血流と興奮の関係を知る展示

植物や生物の展示も充実している。こちらは筆者も大好きな、触れると葉がしぼむオジギソウ

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