「複合機」がガジェットマニアの話題になることはあっただろうか?
会話の中で、ふと「ノートパソコンが欲しい」「タブレットが欲しい」という言葉が出れば、「へえ、どんなの?」あるいは「どれが欲しいの?」と返すパターンが多いと思う。店頭に足を運べば、豊富な製品がところ狭しと売り場に並ぶ。各社が機能やデザインを競っており、選ぶ楽しみとそこから生じる悩みもあるからだ。
しかし「複合機が欲しい」と言われて、同じような反応をする人は極めて少ない。
質問が出る背景には「様々なモデルの中で、この人は何を気に入り、どんな価値基準で製品を選択するのか?」という関心があるからだ。パソコンやタブレットには多分に嗜好品的な側面がある。
しかし複合機は実用性が優先される傾向が強い。つまりデザインや質感といったものよりも、機能や価格の安さが求められる。実際市場に並んでいる製品を眺めても、箱型で大差ない外観のものが中心だ。
つまり複合機は、どちらかといえば「必要に迫られて買うもの」という部分が大きいように思えるのだ。いや、これまでの複合機では「大きかった」ように感じるのだ。
日本ヒューレット・パッカードの「ENVY 120」が登場するまでは。