Amazon Kindle ダイレクト・パブリッシングの使い勝手を徹底レポート
Kindle本を自力出版する冴えた(?)方法
2013年05月15日 11時00分更新
電子書籍をアップロードしよう
さて、登録作業の山場がやって参りました。何はさておき売り物がなければ始まりませんので、手元にある電子書籍のデータを登録してみます。
今回は、筆者が以前手書きで作成したEPUBファイルを用意しました(EPUB作成ツールはいくつもありますが、知識さえあれば自分で作ることも可能です)。電子書籍データの作成方法そのものは今回は扱いませんのであしからず。
デジタル著作権管理については好みで決めてしまっていいのではないでしょうか。
ページめくり方向については用意したデータに応じて設定してください。
さてKindleおよびKindleストアでは、電子書籍のフォーマットとしてKindle Format 8(以下KF8)という独自規格を採用しています。そのためユーザーはEPUBやHTMLといった別の汎用的なフォーマットでファイルを作成、その後KF8に変換する必要があります。
KF8に変換する方法の1つめは、KDPで配布されているAmazon謹製の変換用ソフト「KindleGen」を使うことです。
Windows、Mac、Linuxに対応していますが、コマンドラインからの操作が必要で、あまりフレンドリーな仕様ではありません。……この説明の意味がわからない方は使わないほうが賢明です(汗)。
もう1つの方法としては、登録ページから用意したファイルをアップロードして、Amazonのサーバで自動的にKF8に変換してもらうことです。こちらなら知識は必要ありません。筆者もこちらで作業しました。
サポートされているファイル形式はEPUB、HTML、XMDF、試験的にという形ではありますがWordファイル(拡張子が.docまたは.docx)も対応しています。筆者が試しにアップロードしてみた限りではきちんと変換処理されていました。
XMDFは出版社では今でもメジャーな規格で、最近ユーザが無料で作成できるようになりましたが、一から作るのはとても難しいのでこれを自在に操れる方は以降このページを読まなくてもどうにでもなると思います(汗)。
EPUBなど一部の電子書籍フォーマットでは、ページめくり方向を設定しておくことができますが、KF8への変換時には登録ページにおける指定が優先されるようです。アップロード時に指定を間違えると微妙に読みづらいファイルができあがってしまうので気をつけてください。
プレビューツールの罠
しかしAmazon側に変換処理を任せるとなると、端末では実際にどのように表示されるのか不安になります。実際に販売する前に表示を確認することができます。
KDPではシンプルプレビューツールというものが用意されており、ウェブ上で簡単に表示を確認することができます。Kindle FireやKindle Paperwhiteなど、複数種類の端末に応じて表示を切り替えることもできます。
また専用ソフトウェアをダウンロードして、自分のマシン上で表示させてみることもできます。ソフトはWindows用とMac用が用意されています。
プレビュー用ソフトを起動してみるとこんな感じです。こちらのほうが詳しくエラー内容を吐き出してくれる(英語)などの特典があります。
ただしこのプレビューツール、ウェブ版とソフト版の双方にいくつかバグが含まれている様子です。
筆者がたまたま出くわしたエラーとしては、改行コードをHTML10進あるいは16進で表記すると(LFはそれぞれ[ ] [
]、CRは [ ] [
] )CSSによって本文を縦書きにしている場合、プレビューツールでは本文レンダリング時にエラーが表示されるというものがありました。
横書きの場合はエラーは出ず、スペースなどのエスケープ文字も問題ないようなのですが。
こういうときは髪を掻きむしる前に諦めて「ぽちっとな」と出版してしまいましょう。
プレビューツールでうまく表示できなかったデータでも、実機で試しに購入して表示させてみたらうまくいく傾向がありました。Amazon様がちゃんと直してくれたらそれがいちばん良いのですが。
なお、著者が自作を買うときには代金はかかりませんのでご安心ください(笑)。画面上はあくまで代金がかかるように表示されているので不安になりますが、メールで送られてくる明細では割引されています。
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